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中国とアフガニスタン

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 見ている"Zeit online"に、連日、アフガン関連の記事が次から次へと掲載されている。それぞれ興味深いものであるが、中国とアフガニスタンの経済的関係について分析した記事が目についたので、雑に訳してみる。

 

 記事のタイトルは、"China und Afghanistan: Unbeliebte Taliban, ungünstiges Investitionsklima"(中国とアフガニスタン:評判が悪いタリバン、不利な投資環境)。「パートナーとしてのいわゆる神権国家?実利重視の中国でさえ、実際にはタリバンに対処するのは難しいと感じている。北京はアフガニスタンの安定を望んでいる。」Finn Mayer-Kuckukの記事。以下、内容である:

 

 可能であれば、中国はアフガニスタンを、その対外貿易システム、一帯一路(BRI)としても知られる新シルクロードに統合したいと考えている。中国の観点から、この国は大きな可能性を秘めている。地下には、希少資源である、切望されている工業用金属の莫大な埋蔵があると言われている。銅、金、鉄もある。電子自動車や携帯電話の電池の基本原料である、リチウムも抽出できる。天然ガスや石油の埋蔵も証明されている。適切に使用されれば、これらの地下資源は、両国を本当に豊かにすることができる。

 

 次に、地理的な位置がある。アフガニスタンは、南アジアと中央アジア、そして西アジアと東アジアを結んでいる。必要な道路や鉄道のルートがあれば、シルクロード貿易の中心地になる可能性がある。それを順番に構築することは、中国とアフガニスタン双方にとって、今後数年間の成長と雇用を生み出すであろう。したがって、BRIの初期からよく聞かれる評価は、以前は不可能と考えられていた方法で、アフガニスタンを経済的に統合できるというものであった。


 しかし専門家は、有益な経済的パートナーシップが双方間で本当に構築できるかどうか疑問に思っている。「中国指導部は、アフガニスタンが地理的にいかに重要であるかを強調している」と、メリックス(Merics)中国研究所のシルクロード専門家である、Francesca Ghiretti(フランチェスカ・ギレッティ)は述べている。「しかし、強力な協力が実現するためには、タリバーンは彼らの政府のスタイルを変えなければならないだろう。」


 中国は、BRIの枠組みの中で有意義な協力を行うための枠組み条件を必要としており、現状のアフガンにはそのほとんどが存在しない。

 

安定性:大規模な経済的関与が可能になる前に、中国の企業等の従業員を保護する必要がある。投資の償還と利回りも保証されなければならない。「中国の投資家は最近、とにかくリスクを冒そうとしないことを示している」とギレッティ氏は述べている。しかし、国内のグループ間の不一致、法制度の欠如、社会における暴力の文化、および横行する汚職は、耐え難いレベルの不安定さを生み出している。

 

投資主導型の開発モデル:1990年代のタリバン支配下のアフガンには、言及する価値のある開発政策は皆無で、この段階の経済は、実質的に進展しなかった。主な収入源はアヘンの販売であった。経済活動よりも宗教活動が優先された。

 

連絡窓口としての中央政府タリバンは、多くの異なるグループのネットワークである。中国は数十億ドル相当の大規模プロジェクトを構築するのを好むが、それらを計画するための連絡窓口としての政府が存在しない。天然資源採掘のための国民の団結も欠如している。その代わりに、利益の配分をめぐって抗争が生じるであろう。

 

機能的な銀行セクター:コーランの厳密な解釈は、融資の可能性を厳しく制限する。しかし、BRIのパートナーシップモデルでは、プロジェクトの資金調達に多額の融資を行うことができる。資金は転送され、事業主体に渡される。しかし、専門家のジレッティは、意志があれば、タリバンがここで実用的な解決策を見つけるだろうと期待している。


 アフリカなどへの経済関与が示すように、対象国の統治形態に対する中国の要求は、概して低い。しかし、タリバンとの協力について道義的な懸念がない場合でも、アフガニスタンへの投資には、多くの現実的なハードルが存在する。これらのいくつかは、ムジャヒディン(イスラム戦士)に原因があるだけでなく、構造的なものである。これは、既存のアフガン国内の中国のプロジェクトを見てみると、理解できる。

 

 中国の二つの企業である、Metallurgical Corporation of China(中国冶金公社)とJiangxi Copper(江西銅業)は、2008年にMes Aynakで銅鉱山を採掘するライセンスを取得した。とりわけ、銅は電線や電気モーターの基本的な原材料であるが、継手の基本的な素材でもある。この高価な金属に対する中国の需要は高まっている。アフガニスタンの鉱山は、この種の鉱山としては埋蔵量で世界で二番目に大きい可能性がある。しかし今日まで、このカブール南東の場所には、何の資金も提供されていない。

 

 銅の精錬をめぐって、中国関係者とカブール政府との間で永続的な契約上の紛争があった。ただし、Ghirettiは、安定性と安全保障の一般的な欠如が失敗の主な理由であると考えている。そしてこれは、タリバンがプロジェクトに対していかなる攻撃も実行しないことを約束したという事実にもかかわらず、である。

 

 石炭火力発電所と、国境および港町であるアムダリヤ川のハイラタンと、パキスタン国境のトルカムの間の鉄道は、敷設されなかった。中国の投資家は、Mes Aynakでの銅の採掘や精錬など、関連するプロジェクトが軌道に乗ることがなかったため、その必要性に疑問を呈した。中国石油天然気集団(CNPC)が、アムダリヤ盆地油田の大規模な鉱床へのアクセスを確保したとき、それは中国の資源政策の成功と見なされた。マザリシャリフの近くにあり、契約パートナーは、元大統領ハミド・カルザイの一族によって管理されているワタングループであった。しかし、良好な関係でさえ、何の役にも立たなかった。当初からプラントへの攻撃があり、本当に必要な製油所は、建設されなかった。

 

 したがって、実際には、中国への最も重要なアフガンの輸出品は、ハイテク金属ではなく、ナッツ、綿糸、ドライフルーツ、羊毛等であった。したがって、実際には、アフガニスタンに固有の経済的利益は「最小限」であると、欧州外交関係委員会のアンドリュー・スモール(Andrew Small)は述べている。そのため、中国は、まったく意外ではないが、山脈を越える実際の輸送路の建設に着手していない。

 

 しかし同時に、こうしたプロジェクトは、西側の介入時でさえ、中国がアフガニスタン国家と建設的な関係を確立したことを示している。「彼らは既存の政府と良好な関係を維持して、彼らの協力を合図した」と、ギレッティは述べている。中国は今週末まで、タリバンと政府の双方と良好な関係を持っていた。中国のこの国への最大の投資はまた、西側の軍事的プレゼンスがあった時に、生じた。当初からのアイデアは、いずれにせよ、まずは足を踏み入れることであった。したがって、シンガポールのラジャラトナム国際研究大学院のラファエロ・パントゥッチなどの地域の専門家は、過去数日間に何度も行われた主張である、米国の撤退によって生じた空白を、中国が埋める意図を持っていることを否定する。

 

 北京政府は、タリバンに関して別の問題を抱えている。銃を振り回す野蛮な男たちの映像を、現在、中国の新しいパートナーとして、BRIの成功例として国内外に宣伝することは、ほとんどできない。北京政府は、新疆ウイグル自治区で、すでに従順なウイグル人を一斉に再教育する必要があると信じているが、同時に、隣国の過激なイスラム戦士と協力したいと考えている。これは非常に明白な矛盾であり、地域によっては簡単に説明することはできないと、専門家のギレッティは述べる。したがって、今回の会談で、王毅外相は、タリバンがより受け入れられるイメージを作成することを明確に主張した。しかし、そのような願いが効果を発揮するかどうかは、疑わしい。

 

 したがって、中国はおそらく、タリバンを新しい隣国として非常に不満に思っている。「タリバンの勝利は間違いなく、中国が望んでいた結果ではなかった」とギレッティは言う。彼らは、BRIの枠組みの中で建設的な、あるいは準拠したパートナーとしては、相対的に不適切である。したがって、彼らはおそらく、世俗的な政府が行ったであろうよりも、習近平の大規模プロジェクトには、あまり役に立たないであろう。「全体として、中国が当面、この分野に多額の投資を行う可能性は低い」と、ギレッティ氏は述べた。

 

 全体として、中国は、アフガニスタン情勢を懐疑的に見ている可能性が高い。ほとんどすべての点で、隣国としての神権国家は、世俗のそれよりも都合が悪い。自国領土への地峡を有するテロの繁殖地は、本当の悪夢であろう。結局のところ、中国は新疆ウイグル自治区イスラム教徒に対する制限的な政策を通じて、不安の大きな可能性を生み出した。中国指導部は、この地域を管理下に置くために警察国家の手法を使用しなければならないと信じている。北京の中国現代国際関係研究院は、アフガニスタンの混乱が、タジキスタンウズベキスタン、さらにはパキスタンにまで波及する可能性があることを、すでに恐れている。

 

 中国のアフガニスタン投資に対する障壁は、主に貧困の中で生活し、前近代的経済にとどまっているこの国にとっては、好ましくないことである。特にこのような環境では、中国が支援する開発戦略が、短期間で大きな結果を生む可能性がある。そうすれば、中国の投資家にも相応の収益が約束される。ドイツなどの他国の公共事業企業体も、成長する経済と繁栄する大規模プロジェクトの恩恵を受けるであろう。シーメンスエナジーは、すでにこの国の電化に関する契約を結んでいた。しかし、タリバンの下では、そのような進路の可能性は、当初から僅かに過ぎない。

 

(訳了)

 

 あの中国でさえ対応に苦慮しているのだから、アメリカやNATOが急いで逃げ出すのも頷ける。ムスリムでもほとんどの人は善良で友好的なのに、どうしてこう過激化すると手が付けられなくなるのだろうか。