QVOD TIBI HOC ALTERI

Das ist ein Tagebuch...

アフガニスタンとタリバン

f:id:haendel001:20210817070543j:plain

 

 ドイツ紙(ZEIT online)に、気になる記事が掲載されていたので、雑に和訳してみる。

 

 記事のタイトルは、"Lage in Afghanistan:"Man kann die Taliban nicht wegbomben""(アフガニスタン情勢:「タリバンを爆撃で倒すことはできない」)「西側はアフガニスタンに、民主主義の理念を押し付けようとしました、とベルン大学のイスラム学者ラインハルト・シュルツェ(Reinhard Schulze)は言います。なぜそれがうまくいかなかったのか」。インタビュー:マルクス・ガツケ(Marcus Gatzke)

 

ZEIT ONLINE:シュルツェ氏、タリバンアフガニスタンを乗っ取り、西側の文民、地元のスタッフ、大使館の職員をパニックに陥れています。どうしてこのようになってしまったのでしょうか?

 

ラインハルト・シュルツェ:遅かれ早かれ、タリバンアフガニスタンで再び権力を掌握することは、かなり以前から明らかでした。これは、タリバンアフガニスタン政府の間で、何ヶ月にもわたって行われている、ドーハでの交渉によっても示されました。しかし、驚くべきことは、それがあまりに急速に行われたということです。

 

ZEIT ONLINE:あなたは、西側陣営が腐敗したアフガニスタンのエリートに長く依存してきたと非難します。西側は、20年経ってもこの国を本当に理解していませんか?

シュルツェ:それがまさに主な問題です。西側の国々は、彼らが彼ら自身の国をそう見ているような、彼ら自身の国家の解釈で、アフガニスタンに接近しました。彼らは、国民の合意形成のようなものがあるという誤った考えを持っていて、西洋のモデルに基づいて民主的な共和国を建設したかったのです。

 

ZEIT ONLINE:アフガン人の大多数は、それをまったく望んでいませんでしたか?

 

シュルツェ:アフガニスタン人が何を望んでいるのか、彼らが未来をどのように想定しているのか、そして彼らの社会的共存の考えが、どんなものであるのかについては、あまり注意が払われていませんでした。その代わりに、彼らは単に西側の計画を強制されました。西側は、まさにこの共和制の理念を共有する、都市の少数の中産階級に依存していました。しかし、アフガニスタンの農村人口の大多数は、この考えを支持しませんでした。彼らは裏切られたと感じました。西側が失敗したのはこれが二度目です。この戦略は、1990年代にすでにうまくいかなかったので、それは警告されるべきでした。

 

ZEIT ONLINE:アフガニスタンが、西洋のモデルに基づいて共和国になるべきだという考え方は、間違っていましたか?

 

シュルツェ:はい、もちろんです。西側諸国は、アフガニスタン民主化がそれほど容易ではないことを、すでに認識しています。共和国の秩序は、それが機能するために必要な、民主的な参加を可能にする、広範な社会的空間を欠いていました。したがって、西側は、それぞれの住民に対して一種の後援を行使する、地元の軍閥と協力しようとしました。しかし、住民の観点からは、これらの地元の支配者は、住民の利益を保証するものではなく、単に腐敗した支配者でした。アブドゥル・ラシッド・ドスタムがマザリシャリフに建てた宮殿を見るだけです。


ZEIT ONLINE:しかし、地元の軍閥がいなければ、それは可能だったのでしょうか?

 

シュルツェ:はい。西側は、多くの専門家が忠告したことをすべきだったのです。つまり、それはいわゆるアフガニズムともっと密接に対処し、それが何を意味するのかを理解すべきだったのです。それは慣習的に、以前はアフガニスタン人として知られていた、パシュトゥーン人の民族性を定義する、価値観、習慣、規則、規範を含む、相当古い教典を意味します。タリバンは、イスラム原理主義に基づき、これらの規則の教典を見ています。住民の信頼を勝ち取るためには、これに基づいて行動する必要があったでしょう。

 

ZEIT ONLINE:例はありますか?

 

シュルツェ:例えば、客人の権利です:テロ組織アルカイダは、パシュトゥーン人の客人の権利を享受しました。西側によるアルカイダへの攻撃は、それ自体への攻撃と同じでした。西側はそれを知っていて、異なった行動をとるべきでした。この国の住民との信頼関係を築きたいのなら、客人の権利を無視することはできません。

 

ZEIT ONLINE:タリバンがアフガンにとってのレトロトピアを宣伝したと、あなたは言います。それはどういう意味ですか?

 

シュルツェ:タリバンは、アフガニスタンユートピア的な過去のようなものを築きたいと思っています。彼らは、彼らだけがこの生き方の保証と見なされるように、アフガニズムとこの国の歴史を、イスラム制度と彼らの規則で結びつけたいと思っています。タリバンは彼らの力を安定させ、正当化しようとしています。現時点では、彼らもそれで成功しています。

 

ZEIT ONLINE:西側は今、タリバンにどのように対処すべきですか?

 

シュルツェ:1つ明らかなことは、タリバンを爆撃で倒すことはできないということです。ベトコンもナパーム弾で倒すことはできなかった。

 

ZEIT ONLINE:より良い戦略は何でしょうか?


シュルツェ:アメリカ人は、タリバンとの交渉を通じて、この国のためにより多くのことが達成できると信じていました。それは確かに間違っているわけではありませんが、乏しすぎます。西側は、タリバンや他の軍閥よりも、アフガニスタンの人々の利益を代表する人々を見つけて支援しなければなりません。西側は、彼らが納得できる国を示さなければなりません。しかし同時に、西側諸国は、タリバンの恐怖政治を非合法化するための戦略も見つけなければなりません。そしてそれこそがまさに問題です。変化は国内から生じなければなりません。しかしもちろん、それは長くて非常に困難な道です。

 

ZEIT ONLINE:タリバンが権力を掌握した場合、連邦外相のハイコ・マースはこの国への援助を停止すると脅しました。それは合理的ですか?

 

シュルツェ:それは上手くいきません。緊急援助が必要になるでしょう。この国は完全に枯渇しました。食料の備蓄は、事実上残っていません。誰が権力を握っていても、人道上の理由だけで地域の状況を考慮に入れる必要があります。

 

ZEIT ONLINE:西側がすべての関係を断ち切った場合、誰がこの空白を埋めるのでしょうか?

 

シュルツェ:タリバンは、1990年代よりもはるかに賢くなっています。彼らは、例えば、中国やロシアなどと多くの外交関係を築いています。彼らは自分たちをあまり孤立させないことを学びました。西側が完全に背を向けた場合、中国はまた、新シルクロードの夢を促進するために、この空白を埋めます。

 

ZEIT ONLINE:アフガニスタンが再び国際テロの避難所になる危険性は、どの程度あるのでしょうか。

 

Schulze:少なくとも現時点では、その危険は回避されているようです。タリバンはまた、まずは国内で彼らの支配を強化しなければならないことを知っているので、そうすることに同意しました。外部からの介入は、障害です。そしてそれは、例えばイスラム国(ISIL)でしょう。彼らはそれを国から遠ざけるために可能な限りのことをするでしょう。しかし、彼らが成功するかどうかは未解決の問題です。

 

(訳了)

 

 今度は、アフガニスタンタリバン関連の記事ばかりが目立つ。その中には、多くの知人や同僚をタリバンに殺され、自らも何度も落命しかけた記者による鬼気迫る記事が載っていたりして、日本の新聞等の凡庸な記事とは大違いである。

 

 それはそうと、アメリカもNATOも、ずっと以前から軍事介入が無駄であり、西側的意味での民主化が不可能であることを認識していたのであろう。とはいえ、サイゴン陥落を彷彿とさせるような、今回の顛末が、あまりに無様な結末であることは、隠しようがない事実であろう。