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AfDが東の若者に人気がある理由(1)

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 見ているドイツ紙(ZEIT online)に、選挙関連の記事が掲載されていたので、雑に和訳してみる。記事のタイトルは、"AFD IN SACHSEN-ANHALT: WARUM IST DIE AFD BEI JUNGEN MENSCHEN IM OSTEN SO BELIEBT?"(ザクセン・アンハルハルト州のAFD:なぜAFDが東の若者に人気があるのか​?)。「AfD は、ザクセン・アンハルト州の 30 歳未満の若者の間で特に強い。東では、緑の党とAfDが将来の有望政党になる可能性がある。」Benjamin Hindrichs による分析記事。以下、内容である:

 

 選挙の後はいつも同じだ。皆が起こったことについて話している。しかし、何が起こらなかったかについては、ほとんど誰も知らないー右翼過激派陣営内での多くの絡み合い、党内紛争、および、その州連合が憲法擁護庁による監視対象に指定されたにもかかわらず、AfDはザクセン・アンハルト州での得票数のほとんどを維持できた。代わりに、わずかな損失の一方で、結果を大幅に安定させることができた。そして、もしそれが30歳未満の有権者に左右されていたら、この政党はザクセン・アンハルト州議会で最も強力な勢力になっていたであろう。


 「若い有権者の大多数は、潜在的な可能性がどこにあるのかを示している。憤慨した団塊の世代ではなく、若い愛国者がいるのだ」と、Junge Alternative Deutschland チャンネルの選挙結果について Telegram のユーザーはコメントした。彼は正しいかもしれない。AfDは、2019年のザクセン州ブランデンブルク州の州選挙で、若者の間で同様に良い結果をすでに達成しているからだ。この党の選挙基盤を形成するのは「老人」ではなく、若者である。しかし、すべての年齢層の中で特に進歩的であると言われている、これらの世代は、なぜ部分的にしろ、右翼過激派であるこの政党に投票するのだろうか?


 「我々は、独裁政権によって部分的に社会化され、30年経っても民主主義に到達していない人々を扱っている」と、連邦政府の東部委員であるマルコ・ヴァンダーヴィッツは、選挙のわずか1週間前に東ドイツ有権者と AfD の投票者について語った。東ドイツで成長することへの示唆である。しかし、若い初めての有権者は、逆に「独裁政権によって社会化」されていない。しかし、選挙の成功の背後にあるものは何なのか?


 若者の投票行動を抗議として、または右翼過激派の感情表現として片付けるのは簡単であるが、短絡的である。自分の信念に反して政党に投票する人もいれば、まさにその理由で政党に投票する人もいる。両方が発生する。しかし、東ドイツの若者が主に AfD に投票する理由を本当に理解したいのであれば、六つのポイントを念頭に置く必要がある。


 「AfDは、恵まれない人々の権利を訴える政党として認識されているため、若者の間で非常に上手くいっている」と、教育研究者でベルリンのヘルティ・ガバナンススクールの公衆衛生・教育学教授であるクラウス・フレルマン(Klaus Hurrelmann)は言う。彼によると、若者は主に話題投票者である。特に東部では、彼らは政党に縛られる可能性が低い。代わりに、彼らはその時々の話題を見て短期的な選択をする傾向がある。そしてザクセン・アンハルト州の事例を見ると、AfD には多くの話題がある。

 

 この党は、根本的な反対、保守派から右翼過激派の世界観、移民の拒絶を代表している。これにより、この党は成功し、有権者の支持母体を安定させることができた。しかし同時に、東部の AfD は、特に農村部やかつての工業地帯において、経済、公共、社会保障の提唱者としての地位を確立することに成功している。構造的な変化が特に目立つ場所では、AfDは現実的話題で人々を説得し、サッカークラブや図書館の維持整備を行い、無料の地元公共交通機関を招致する。

 

 ハレ大学の政治学者であるカースティン・フェルクル(Kerstin Völkl)は、「右翼政党は、バスが1日に1、2便しか運行せず、インターネットも使えない場所で、その使い方を知っている」と述べている。特に農村地域は、組織化された右翼過激派陣営にとって重要な活動分野であり、スポーツクラブやユースクラブを通じて主に若者に対処している。したがって、農村コミュニティを放棄することは、民主的な共存にとって危険である」と彼女は言う。

 

 それ故、(地方農村部では)AfDは必ずしも右翼として認識されているわけではなく、特に若い有権者や初めての有権者にとって話題のある政党として認識されているようである。ザクセン・アンハルト州で唯一の政党として、AfD はすべての初投票者に個人的に手紙を書き、投票キャンペーンを行ってきた。(同州では)18~24歳の約半数がうつ病の症状を示しており、コロナのパンデミックにより職業訓練市場は崩壊している。これは、既存の不安、経済的および社会的恐怖を増大させる。若者は自分自身の将来について自問する:インターン職を見つけることはできるのか?家賃は払えるだろうか?そして、なぜバスは 1 日 2 便しか町にやって来ないのか?

 

 これらの問題は若者に関するものであり、AfD はこれを認識しており、たとえば、全国的な学校チケットや、若者向けのスポーツクラブの無料会員権など、実際の政治的要求を提供している。このような内容は、この政党の極端な政治的立場をかき消すことができる。極右のAfDの先駆けであるゲッツ・クビチェック(Götz Kubitschek)は、「自党の無害さを誇示することで、反対者の非難をかわし、要求されていることが市民社会の基準を下回るものは何もないことを強調する」試みを「自己無害化」と呼んだ。彼は2017年のエッセイで、無害で議論の余地のない話題を取り上げて、自党の極端な目標について有権者を欺くことは、「一般市民」がAfDに投票するのを妨げてきた「感情的な障壁」を打ち破るための重要な前提条件であると書いた。


 「AfDの有権者は、自分自身の経済的および社会的状況を特に否定的に評価するだけでなく、地域環境の状況も評価することが示されている」と、イエナの民主市民社会研究所のアクセル・ザールハイザー(Axel Salheiser)は述べてる。「彼らは自分たちのことだけでなく、住む場所や国の将来についても心配している」と彼は言う。

 

 選挙後の調査を見ると、ザクセン・アンハルト州の全有権者の 4 分の 3 が自分の経済状況を良好であると評価しており、一方でAfD(支持者)では 3 分の 2 であることがわかる。それでも、ほとんどの AfD支持者は、敗者のように感じている。また、その41% が自分の地域の生活環境が近年悪化していると感じている。この感情がこれほど顕著に表れている政党は他にはない。つまり、AfD には、個人的に特に深刻な状況にある人が投票する必然性はない。そうではなくて、物事が全体的に下り坂になっていると感じられる場合(支持される傾向にある)。これには、新連邦州の多くの若者が含まれる。

 

 アレンスバッハ世論調査研究所の代表的な調査によると、旧東ドイツの若者の 42% が将来の見通しを好ましくないと評価している一方で、旧西ドイツでは 19% に過ぎない。2021 年 5 月のザクセン・アンハルト州の若年失業率は、 8.2% であった。これは、旧西ドイツの平均のほぼ 2 倍である。また、Shell 青少年研究によると、東ドイツの青少年の 3 人に 1 人が民主主義に不満を抱いている。

 

 AfD はこの不満を認識し、それに耳を傾ける。この目的のために、この党は「連帯に基づく愛国心」の処方箋にこれまで以上に依存している。この概念は、新右翼の知識人ベネディクト・カイザーに依拠し、ドイツ人だけのための思いやりのある国家を提唱している。あるいは、より正確に表現すれば、AfD がドイツ人であると宣言した人々のための。正式に解散した政党ネットワーク「デア・フリューゲル」のこの庇護者戦略は、その間、党内で党首イェルク・モイテンを中心とする市場自由主義者グループに対して優勢であった。この戦略は、AfD のヨーロッパの同盟政党に基づいている。オーストリアの FPÖ、フランスの国民連合、イタリアの同盟も同様の社会政策を追求し、そして成功を収めている。

 

(続く)