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中国の三人っ子政策

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 見ているドイツ紙(ZEIT online)に、気になる記事が掲載されていたので、雑に和訳してみる。記事のタイトルは、"Dreikindpolitik in China: Ein Plansoll fürs Schlafzimmer"(中国の三人っ子政策:寝室の計画的目標)。「人口減少の懸念から、今後、中国の夫婦は最大三人の子供を持つことが許可される。しかし問題は、その計画が受け入れられるかどうかである。」テオ・ゾンマーのコラム。以下、内容である:

 中国の習近平国家主席には大きな計画がある。彼は、中華人民共和国を政治的、軍事的、技術的、科学的、文化的に世界をリードする大国に引き上げたいと考えている。多くの識者がそう考えているように、中国の台頭は避けられないように思われる。しかし、不運なアキレス腱、つまり人口動態の発展がある。中華帝国は人口危機に向かっている。中国は、豊かな世界大国になる前に、老いてしまう恐れがある。

 

 20世紀後半、中国の問題は人口過剰であった。1949 年に毛沢東が権力を掌握したときの人口は、わずか 5 億 4,000 万人であったが、1960 年には 6 億 6,700 万人、1984 年には 10 億人を超え、2010 年には人口が 13 億 7,000 万人に達した。2020 年には、10 年ごとに行われる国勢調査では、約 14 億人と示された。

 

 明らかに止められない人口爆発により、党は1979年に人口問題に介入するよう促され、一人っ子政策が導入された。これは残忍な強制中絶によって実施された。何億人もの女性がそれに苦しんでいる。党の幹部や役人は、子供が 2 人以上いると解雇された。特に女性の胎児は中絶され、生殖能力がさらに損なわれ、余剰男性の数が百万倍に増加した。時間が経つにつれて、人口過剰の代わりに、反対の問題が発生した。つまり、出生率の低下である。


 そして、出生率は致命的に低下した。2016年には1780万人の子供が出生したが、2018年には1520万人の新生児しか生まれなかった。出生率は、毛沢東政権下の大飢饉以来、最低の水準にまで落ち込み、女性 1 人あたり 1.3 人の子供であった(世界の平均出生率: 2.4、ドイツ: 1.5)。もちろん、これは党の出生制限政策を反映しているだけでなく、都市化の進展、教育の改善、女性の労働参加の拡大も反映している。

 

 これらの数字に基づいて、中国の人口学者は、人口が 2100 年までに 48% 減少し、7 億 3,200 万人になると予測した。20 歳から 49 歳までの年齢層が 4 億人減少し、超高齢者と要介護者の割合が急速に増加することが決定的であることが判明した。現在、35 歳未満よりも 60 歳以上の人口がすでに多くなっている。現在、65 歳以上の年金受給者を支える労働者は数人(5~6人?)であるが、2040 年には 2 人、2050 年には 1.6 人しかいないであろう。

 

 この重大な進展により、政府は 2015 年に一人っ子政策を廃止し、それ以降は 2 人の子供を許可した。しかし、これはほとんど効果がなかった。現在人口の 3 分の 2 が住んでいる都市部での生活費の高騰と、不十分な社会システムの故に、若い夫婦は子供を持つことを躊躇っている。そのため、政府は次の段階に進んだ。今後は、1 家族あたり 3 人の子供が許可される。

 

 国の出生制限の緩和または解除の兆候は、かなり前から明らかであった。「家族計画」という用語は保健当局の議題から削除され、党の作業報告書から突然「出産計画」という言葉がなくなった。重要な暗示として、2018 年の亥年の特別郵便切手が、幸せな豚の家族(猪、雌豚、三匹の子豚)の絵柄であった。

 

 2014年、申年前の一人っ子政策から二人っ子政策に変わったとき、母猿と二匹の小猿の切手が登場した。猪の記念切手は、先週発表された政治局決議のメッセージ、つまり新しい寝室目標を示唆していた。

 

 前回の国勢調査の結果は、党指導部をひどく恐れさせたに相違ない。第一に、20 歳~ 44 歳の年齢層では、1,700 万人の男性が余っている。第二に、60 歳以上の人口は 2 億 6,400 万人、人口の 18.7% であるが、2025 年には 3 億人を超え、人口の5 分の 1 になる。第三に、人口構造全体のバランスが崩れている。習近平は行動を余儀なくされた。中国共産党の新しいメッセージは、キリスト教の聖書の創世記 9:7:「あなたたちは産めよ、増えよ!」をそのまま引用することができる。


 問題は、このメッセージが受け入れられるかどうか?疑問は許容される。上海の FAZ 特派員は、「中国で広められているほど多くの子供を増やすことはできないという見解である」と書いている。1月に削除された国営新華社通信の世論調査は、この見解を確認した。20,000 人の回答者のうち、18,000 人が三人っ子政策を拒否した。彼らにとって、政府が命じたように、子供を持つことは問題外であった。したがって、専門家は出生率が 1.4 に上昇するのみと予想している。

 

 理由は?家賃は高く、子供たちの教育費は非常に高額である。おばあちゃんとおじいちゃん以外にはほとんど育児担当の選択肢はない。多くの人は両親や祖父母を養わなければならない。さらに、かなりの数の女性が、妊娠すると仕事を失う。母性保護規則はせいぜい初歩的なものである。育児休暇はなんとか180日まで延長された。さらに、中国のミレニアル世代は、子供のいないライフスタイルに慣れている。快適さは彼らにとって最優先事項である。

 

 政府は、教育助成金、退職年齢が引き上げられた場合のより包括的な年金の提供、女性の労働環境の向上、公共サービスの拡大を約束している。全体として、これは社会システムの根本的な再構築を意味する。党指導部が本当に国の人口構造を改善し、高齢化のプロセスに対処したいのであれば、それが何よりも重視しなければならないことである。それから、高齢者にとって、ロケットよりも歩行器が重要で、銃よりも杖が必要である。北京の指導部は、国内問題が彼らを外交上の穏健さに追いやれば、世界政治においてより社交的になる可能性がある。

 

 以上である。少子高齢化は、日本にとっても、他人事ではない問題である。いずれにしても、人口動態を政策的に改善させようというのは、非常に困難な作業である。基本的に、人間が人間を完全に管理できるわけがないのである。どちらも自然の一部であるからである。

 

 日本も似たようなものであるが、共産党一党独裁体制がいつまでもつのかを含め、今後の中国がどうなっていくのか、興味深いところである。