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保護観察中のエリート部隊

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 昨年の記事であるが、見ているドイツ紙(ZEIT online)に気になる話題が掲載されていたので、雑に和訳してみる。記事のタイトルは、"Kommando Spezialkräfte: Eliteeinheit auf Bewährung"(コマンド特殊部隊:保護観察中のエリート部隊)。「右翼音楽、剣闘士競技、失われた弾薬ーKSKドイツ連邦軍部隊は独自の危険な活動を醸している。部隊の運用中にこれを終わらせるのは困難である。」Kai Biermann と Thomas Wiegold による分析。以下、内容である:

 

 創設25周年の1年前、ドイツ連邦軍のコマンド特殊部隊(KSK)は、歴史上最も深刻な危機に瀕している。アンネクレート・クランプ-カレンバウアー国防相(CDU)の委託を受け、エーバーハルト・ツォルン総監の命でエリート部隊を調査した、構造分析書の作成者は、「右翼過激派の疑いのある症例の蓄積」について訴えた。「一部の幹部による不健全なエリート理解に基づいて、これまで効果的に対処されていない構造が出現した。」この文化によって、ドイツ連邦軍の最高の兵士が「過激派的傾向の温床に発展した」模様であると批判している。

 

 ドイツ連邦軍の基準で言えば、コマンド特殊部隊は比較的新しい部隊である。この旅団は1996年9月に創設された。その2年前、ドイツ軍は、ドイツ人を危険な状況から脱出させるという重要な能力に欠けていることを発見した。1994年のルワンダでの大量虐殺に際して、ドイツ連邦軍キガリに閉じ込められたドイチェ・ヴェレの職員を救出し、国外に連れ出すことに失敗した。その結果、シュヴァルツヴァルトのカルフに駐留するKSKが結成された。部隊は主にバルカン半島戦争犯罪者を追い詰め、アフガニスタンの反乱軍を掃討した。


 数年前、部隊の一部に右翼的傾向があり、憲法違反の過激主義にさえつながる可能性のある閉鎖的な傾向を発達させていることが明らかになった。2017年4月の部隊内送別式では、ナチス式敬礼が行われ、古代ローマ風の剣闘士競技が開催されたが、その際、極右系の音楽も演奏された。


 ドイツ連邦軍はそれを追求し、その結果、中佐を含む何人かの兵士が除隊を余儀なくされた。遅くとも2020年5月中旬までに、ベテランのKSK准尉の所有地の捜索、およびドイツ連邦軍由来の弾薬と爆発物の発見により、この問題は臨界点に達したように見えた。国防省と軍指導部が行動を起こした。「この展開を食い止めるために、問題のある構造は破壊されなければならない」と、Zorn総監は述べた。

 

 国防相が総監と彼の作業部会の助言に基づいて下した措置は、以下の通り:当面の間、エリート部隊全体を維持すべきである。ドイツ連邦軍は、コマンドとその機能を放棄すべきではなく、放棄を欲していないからである。しかし、クランプ-カレンバウアーと軍指導部が維持しなければならないこのバランスは、微妙である。特殊部隊は必要であるが、同時に、部隊から右翼過激派活動を一掃する必要がある。


 したがって、大臣がKSKのために命じた構造上の変更は、主に2つの領域を対象としている。すなわち、1つは、作業部会が右翼過激派の繁殖拠点として特定した部隊の部分である。もう一方では、部隊全体と同様に、訓練構造がドイツ連邦軍の他の領域から隔離されており、独自の気風を醸成しており、他の部隊との交流はない。クランプ-カレンバウアーへの長い手紙の中で、あるKSK大尉は武装親衛隊のような服従の認識がそこで培われたと批判した。

 

 結果として、クランプ-カレンバウアーは、2017年の疑惑の送別会から武器、弾薬、爆発物の発見まで、過激派思想が醸成される可能性のある中心的なサークルを形成したKSKの第二中隊を解隊したいと考えている。「したがって、この中隊の分野では、個別の対策ではもはや十分ではないようである」と、Zorn総監は彼の勧告で述べている。「長年にわたってそこで成長した誤った指導文化と過激派傾向の温床を排除するために、第二中隊は解隊する必要がある。」

 

 しかし、Zornの広範な報告書は、独自ランクの右翼過激派がKSKが直面している問題の一部にすぎないことも示している。何年にもわたって、旅団は他の部隊からの孤立を促進したエリート的理解を深めてきた。兵士たちは何年も特殊部隊に配属され続け、ドイツ連邦軍の他の領域との交流はなかった。軍事保安局MADの局長であるクリストフ・グラムはまた、「兵員の長期の待機時間」はKSKの問題だけではないことを警告した。すなわち、「特定の問題が発生しないように、指導人員、つまり訓練に従事している人員は、定期的に異動させる必要があると私は考えている。」

 

 これがまさにこれから変更される点である。国防相は、KSKを「ドイツ連邦軍に再統合」しなければならないと訓示した。 KSKがこれまで独自に組織してきた訓練は、陸軍の訓練体系に統合される。コマンドは将来他の部隊に所属し、幹部は特殊部隊の外で経験を積まなければならない。コマンド部隊などの将校は限られた期間だけエリート部隊に所属する。

 これに伴い、大臣はまた、代議士のペーター・タウバーが連邦議会の国防委員会に宛てた書簡で「弾薬と爆発物の取り扱いにおける重大な規律の欠陥と手続き上の問題」と呼んだものを解決したいと考えている。KSK所管の62キログラムの爆発物-在庫はなく、所在は現在も不明である。それは、捜査官が5月中旬に逮捕された准尉の所で弾薬と爆発物を発見したとしても、右翼過激派が自宅に武器を秘匿しているという意味ではない。エリート部隊には通常の規則が適用されないという理解の上で、その重要な部分は、使用時に記録されなかったか、あるいは無秩序に記録されたかであった。

 

 とりわけ、これは、通常の部隊とは異なり、KSKが主に独自の備品管理を任されていることを示している。右翼過激派以上に、これは明らかに大臣の取り締まりの主な理由である。「KSKは1998年以来すべての作戦で最高の能力を発揮した」と総監は述べた。「しかし、現在の出来事と右翼過激派の事件の分析は、KSKが、少なくともいくつかの分野で、過去数年間に、一部の幹部将校の不健全なエリート理解から派生して孤立したことを明らかにしている。」それがまさに「有毒なリーダーシップ」と過激派傾向につながっただけでなく、「爆発物と弾薬の緩い使用」にもつながったのである。

 

 大臣は、コマンドを軌道に戻すために取られた60の措置が、この旅団に対する保護観察の選択肢のようなものであると信じている。10月31日の時点で、警告として、クランプ-カレンバウアーは、「生じた変更の評価を実施し、必要に応じて、さらなる措置と調整を決定する」予定である。これは、KSKの完全な解散を排除することはできないことを意味する-そして、部隊自体が新しい規制にどのように対処するかが大臣にとっての決定的な点になる。すなわち、「特にKSKの自浄能力が効果的かつ十分でない場合、KSKが今後、現在の形を維持できるかどうかという疑問が必然的に生じてくる。」

 

 以上である。閉鎖的な陸軍エリート特殊部隊内部に極右思想が流入・醸成され、不祥事を引き起こしたとのこと。ドイツ(および西側)だからこうやって明るみにされてそれ相応の対策が取られる。その点は安心である。