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Das ist ein Tagebuch...

池上の紫陽花

 本日は久しぶりに天候に恵まれた。そして、今年はもう紫陽花の咲く時期になったので、早速、池上の養源寺に行ってきた。

 

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 盛りはもう少し先の様子であった。以下は、隣の照栄院と妙見堂の紫陽花。

 

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 最後に、近所で目に止まった花々と神社の猫。

 

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中国の人口問題

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 見ているドイツ紙(ZEIT online)に、気になる記事が掲載されていたので、雑に和訳してみる。記事のタイトルは、"Volkszählung in China: Schlagartig sehr viele Rentner"(中国の国勢調査:年金受給者の突然の増加)。「国勢調査によると、中国はドイツと同様に急速に高齢化している。将来的に貯蓄が不十分な多くの退職者が出現するだろう。そして中国の世界大国への台頭は難しいだろう。」フェリックス・リーの記事。以下、内容である:

 

 これまでのところ、それは仮定であった。今では公式である。中国の人口は過去数十年前と比べて増加が鈍化している。そして、一部の西側メディアによる報道に反して、過去1年間に人口が減少しなかったとしても、この状況は今後数年で発生するであろう。もう誰もそれを疑うことはない。

 

 火曜日に発表された、10年ごとに行われる国勢調査が示すように、世界で最も人口の多い国の人口は、過去10年間で5.4%増加して14.1億人になった。統計局は年間の数字を公表していない。これは1950年代以来最も低い増加率である。

 

 その理由は、出生率の持続的な低下である。統計的に、一人の女性につき1.3人の子供(の出生率)となっている。したがって、この割合は、現在世界で最も急速に高齢化が進んでいる社会である日本、イタリア、ドイツのレベルにある。これに伴う問題は、これらの国々が少なくとも今後数年間は十分に高レベルの年金を確保できる経済レベルに達している一方で、中国では個人世帯が老後の世話をするのに十分な富を蓄積する前に高齢化していることである。

 

 さらに、「人口増加は今後も減速し続けるだろう」と、国家統計局長の寧吉喆は結果を発表した際に確認した。寧氏は、中国の人口がいつピークに達する可能性があるかについては言葉を濁した。彼はまだその時期が「不確実」であったと述べた。しかし同時に彼は、2019年の1500万人と比較して、2020年には1200万人の出生しか登録されていないことを明らかにした。しかし、死亡者数はゆっくりと、しかし着実に増加している。2019年には726万人であったが、1年後には740万人になった。移民はこれらの数値に影響を与えない。移民はほとんど存在しないからである。

 

 人口ピラミッドがきのこ形に歪むことは、中国市場の企業にとって比較的推測しやすく、これまでも知られている。長い間、中年の消費者集団は、子供たちがすでに家を出ている中で急速に成長する(「労働年齢の空の巣症候群」)。彼らは、ちょっとした贅沢から大旅行まで、積極的に消費する傾向がある。都市化も進んでおり、中産階級に進出する新しい消費者を生み出している。これらの家族は、より良い車やその他の消費財を購入する傾向がある。したがって、高品質の商品市場は、当面の間成長し続けるであろう。しかし、それは無制限ではない。

 

 同時に、現在の現役世代は引き続き多くの資金を節約している。彼らは中国社会が年金問題に直面していることを知っている。しかし、彼らは安全な投資先を1つだけ知っている。それは、自分のアパートあるいは他の不動産である。したがって、住宅市場のバブルはさらに拡大する可能性がある。EUと中国(CAI)の間の投資協定が不思議なことにいまだ発効していない以上、潜在的市場である年金保険への参入は閉ざされたままになる可能性がある。

 

 国連はこれまで、中国の人口は2030年にピークに達すると想定してきた。しかし、近年の傾向が続くのであれば、この10年の半ばまでにこの点に到達するはずである。そして中国はまた、それ以前に地球上で最も人口の多い国としての地位を失うであろう。推計によると、インドは約4年で中国を追い抜くであろう。国連によると、インドの人口は現在約13.8億人である。しかし、この国の人口ははるかに急速に増加している。

 

 何十年もの間、人口増加を抑制することは中国の指導層のドクトリンであった。彼らは1980年代初頭から一人っ子政策を推進してきた。ほぼ35年間、都会の夫婦は1人の子供しか出産できなかった。田舎では最大2人の子供が許可された。これに従わなかった人々は多額の罰金を支払わなければならなかった。人口増加は実際に鈍化した。

 

 しかし、この政策は高い代償を払うことになったー中国社会はもうすぐその影響を被るであろう。このような厳格な人口政策の突然の導入は、多くの労働人口が突然消失する一方で、労働年齢人口の割合が減少することを意味する。2016年、中国は数十年にわたる一人っ子政策を廃止した。

 

 しかし、この政策転換は遅すぎた。今後数十年の収縮は不可逆的なままであり、すでに本格化している。公式の数字によると、昨年の15歳以上59歳以下の人口は8億9400万人で、ピーク時の9億2500万人だった2011年より5%少なくなっている。一方、60歳以上の人口の割合は、5.4ポイント上昇して18.7%、2億6400万人になった。


 遅すぎる転換点は、データが粉飾されている可能性があり、中国の人口増加がさらに鈍化しているか、あるいはおそらく減少しているという疑いの理由である可能性がある。しかし、このような大規模な人口に関するデータを収集することは容易ではないが、国勢調査のデータは、中国の人口に関する情報で我々が持ちうる最良のものである。

 

 正確に転換点が来るときもそれほど重要ではない。何年もの間、専門家は「人口統計学的時限爆弾」について警告してきた。全人口に占める労働年齢人口の割合は、2011年の4分の3から2050年には約半分に減少する。エコノミストによると、これは生産性に影響を与える。「国勢調査前の数値に基づく我々の予測は、労働力が2030年まで毎年0.5%減少し、国内総生産に同様の影響を与えることをすでに示している」とキャピタル・エコノミクスのアナリストは書いている。その場合、高い経済成長率はもはや期待できない。

 

 この展開は、地政学的競争にも影響を与える可能性がある。国連の統計によれば、中国の人口は減少しているものの、米国の人口は2050年までに約15%増加するからである。中国の人口増加が鈍化すると、経済的に米国に追いつくのが難しくなるだろう、とキャピタル・エコノミクスのアナリストは続けて書いている。また、中国の中央銀行も「教育と技術の進歩は人口の減少を補うことはできない」という結論に達している。

 

 以上である。中国の少子高齢化が進行しているとの記事であるが、かの国以上の少子高齢化が進行中の日本に住むものとしては、他人事ではない。日本同様、中国もこの先何が起こるかわからないが、あまり良いことは起こらないと考えておけば無難かもしれない。

孤立化する中国

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 短い記事であるが、見ているドイツ紙(ZEIT online)に、気になる記事が掲載されていたので、雑に和訳してみる。記事のタイトルは、"Xi Jinping: Chinas Staatschef sieht Welt im "Aufruhr""(習近平:中国の国家元首は世界を「混乱」と見ている)。「習近平は、基調講演で中国に対する彼の見解を明確にしたー中国は自給自足体制となり、したがって「無敵」になるべきである。彼はまた、党の独裁政治を称賛した。」以下、内容である:

 中国の国家元首である習近平は、次世代の共産党指導者のための演説を行なった。同時に、それは中国の政治指導者の一般的な世界観を反映している。金曜日に党誌"Qiushi"(求是)で発表された基調講演で、習はパンデミックに巧みに対処したことを自賛し、中国にさらに自立するよう呼びかけた。「世界中のさまざまな指導者や政治体制がパンデミックにどのように対処してきたかーこれから判断すると、誰がより上手くいったのかがはっきりとわかる。」


 今年の1月11日、習総書記は党幹部学校での勉強会で演説を行った。これは、ドナルド・トランプ支持者によるワシントンでの米国議会襲撃から5日後のことである。中国では、このような基調講演が公表され、党員に提示されて研究されるのが通例である。

 

 中国は、1949年以来統治してきた共産党の党首でもある習近平の下で、政治的再集権化を経験している。かつてこの国は、毛沢東の下で同様のスタイルで支配された。同時に、中国企業の経済的成功により、習は国内で先鋭なナショナリズムを広め、それは現在では海外にも持ち出されている。今日、中国の外交官と外務高官は、他国とその代表者に対し攻撃的な自信と傲慢、および侮辱の態度をもって行動している。


 「誰も我々を打ち負かすことはできない」ーこれが、将来の指導者のための党幹部学校での基調講演の背景である。中国の政治エリートの一般的な見解は、西側は衰退しており、東側、つまり中国は隆盛しているというものである。これは、世界が「根本的かつ前例のない変化」を経験していると習が述べるときの意味である。今日の世界で最も印象的な特徴は、一言で言えば「混乱」である。「そして、この状況はしばらく続くようである」と彼は述べている。課題と機会は巨大で前例のないものであるー「しかし、一般的に我々の機会は課題よりも大きい」と。

 

 習の主な目標の1つは、中国を可能な限り自給自足体制にすることである。また、(この背景には)たとえば米国は、ハイテク部門を中国との競争から切り離したいと考えるようになっているからである。これは、現在、グローバリゼーションが逆風を経験しており、中国が世界に対して独立と開放との関係をどのように扱うべきかを理解しなければならない、という事実に対する彼の訓戒である。演説によると、習は国家に対し、国際分業に適切に対処し、国家安全保障を保護するよう求めた。外資は上手く利用し、安全保障は定期的にチェックする必要がある。

 

 「我々が自立し、自給自足で、国内的に商品やサービスの活気に満ちた流通を維持している限り、国際的な嵐がどのように変化しても、我々は無敵になる」と習近平は述べている。「誰も我々を倒したり、窒息させたりすることはできない。」彼は、「予見可能及び予測不可能なすべての嵐の中で」中国の存続力、競争力、強さ、持続力を改善する発展のための新しい枠組みを提唱した。

 

 以上である。かつて毛沢東が試みたように、中国が孤立化に向かっているような雰囲気である。人権問題等、西側世界からの激しい批判を一蹴し、反民主的な共産党一党独裁体制を堅持したいのだろう。しかし、世界の工場が世界から孤立したらどうなるかーどちらにとってもあまり利益はないような気がするが、その路線で中国と世界は進んでいるような様子がある。

神社の猫

 ほぼ毎日行く家の近くの神社は、猫の溜まり場になっている。彼らは、一家と推測されるが、毎回微笑ましい光景を見ることができる。

 

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 以下は、同じく近所の公園の猫たち。たまにカラスと闘争している光景を目にする。こちらも一族であろう。

 

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 近所で咲いていた藤の花。

 

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Querdenken(2)

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 2020年5月31日の水平思考演説で、この投資顧問は、2010年にアウグスト・フォン・フィンク・ジュニアによって設立されたDegussa Sonne / Mond Goldhandel GmbHのマネージャーであるマルクス・クラル(Markus Krall)などの他の金販売者にも言及した。フォン・フィンクは、彼の父であるアウグスト・フォン・フィンク・シニアが1933年2月20日にベルリンで開かれた産業家会議でアドルフ・ヒトラーの権力掌握を惜しみなく支持し、後にユダヤ人銀行の強制的な「アーリア化」の受益者の1人となったとき、3歳にも満たなかった。2018年にDer Spiegel誌は、スイスに移住したジュニアが、ユーロの導入に反対して扇動していた自由市民連盟など、そして結局は、ドイツ政党法に違反して、AfDに対しー数百万の寄付で右派ポピュリストグループを支援したと報じた。

 

 Finck Juniors Degussaに雇用されているKrallは、貴金属だけでなく、陰謀神話や反ユダヤ主義も頒布している。2019年、『ブラックスワンが若くなるとき』において、彼はフランクフルト学派について、「マルクス主義支部」として、「1968年の反乱」から始まった「制度内への進軍」を追求したと書いている。その後、クラルは、「国家社会主義者」としてのナチスのように、「フランクフルト学派」が、長期的な「諸制度の侵食」と「自由主義システム」の破壊を目指したと対比する。

 

 クラルは彼の読者に、しかし、何故に、「フランクフルト学派の信奉者は、自由秩序の絶対的な優位性を認識したときに社会を弱体化させたいのだろうか」と尋ねる。このレトリカルな質問への答えは:それは彼らを「実際には、社会主義エリートの主要な心理的原動力として理解されなければならない、他の人々に対する権力と支配への欲望」を駆り立てる。その背後には、「より精神的に開放的な人々にとって:何か邪悪な本質」があるという。

 

 宗教学の観点から、これによってクラルは明らかに、ユダヤ人と左翼知識人の悪魔化によって世界的陰謀者と見なす反ユダヤ主義の文化的マルクス主義陰謀神話と結びついている。Krallはまた、2020年12月4日のツイートでCovid19パンデミックの存在を疑問視していた。これによると、「本当のパンデミックは存在しない」が、「人々におそらく『理性的な』行動を強制する」という国家の計画だけがあるという。

 

 悪魔的な世界国家:KrallのDegussaの同僚であるThorsten Polleitはまた、彼の著書 "Mit Geld zur Weltherrschaft"(貨幣による世界支配)で、お金を狙った世界的陰謀の存在を主張している。例えば、「民主社会主義」の背後には「多くの関心が集まっており、そのいくつかは非常に異なる目的を持っているようである:福祉国家の擁護者、社会市場経済主義者、介入主義者、反資本主義者、キリスト教社会主義者国家社会主義者、サンディカリスト、文化的マルクス主義者、環境活動家や生態学者、政治家、グローバリスト、ケインジアン、そして彼らが呼んでいるものは何でも。」彼らは皆、「世界政府、世界国家の創設に向けて、意識的に、おそらく無意識のうちに、」働いているとポライトは書いている。「しかし、それは、統一された世界の貨幣が事前に開始され、国家が管理する場合にのみ達成することができる。」ポライトにとって、彼が続けているように、狡猾な「世界国家」は悪魔的である。「基本的には、聖書のバベルの塔のイメージがすぐに現れる統一文明を形成するための努力に他ならない(創世記11、1-9)。」


 2010年以来、短期のフォーカスマネー編集者でインフルエンサーのOliver Janich(オリバー・ヤニッヒは、オッテ、クラル、ポライトによる前述の3冊の本と同じFinanzBuch Verlagで『資本主義の陰謀:権力の秘密のサークルとその方法』に関する彼の解釈を発表している。国家のコロナ対策に対する抗議運動の最も影響力のある人物の一人になりつつあるヤニッヒは、「我々の中央銀行システムは人類史上最大の犯罪である」とさえ主張している。しかし、新しい金貨を含む「銀行家」なしで国家の自由主義的な削減は可能である:「我々はいつでも向きを変えて、通貨システムを変えることができる。調整には数年の困難な年月がかかるであろうが、それから地球上の楽園が我々のために開花するであろう。」 2019年以来、ヤニッヒはフィリピンから、QAnonの文脈でデジタル陰謀ビデオを制作しており、その後、「パンデミックはなかった」、いわゆる「ロスチャイルドのヘッドハンター」に関する反ユダヤ主義の啓示、および「気候変動の悪魔的背景」などのタイトルで水平思考を行っている。」

 

 悪魔の六芒星:バーデン・ヴュルテンベルク出身でスイスに移住した作家でありYouTuberのTilman Knechtel(ティルマン・クネヒテル)もヤニッヒについて言及している。したがって、「ロスチャイルド家」(フランクフルト・アム・マイン出身のドイツ系ユダヤ人の銀行家)は、世界支配だけでなく、3つの世界大戦も目指すであろう。古典的な反ユダヤ主義の議論の中で、ティルマン・クネヒテルは、「イデオロギーの核心が非常に似ているナチズム、共産主義シオニズムの政治運動に資金を提供することによって」、一族は、「イスラエル国家の樹立」を強制するために、ホロコーストを含む第一次世界大戦第二次世界大戦の両方をもたらしたという。Knechtelによれば、これにより、「第三次世界大戦はすでに開始されており、差し迫っている。バビロンの神々と接触するためにオカルトの儀式で今でも使用されている悪魔の六芒星は、イスラエルの国旗に飾られている。」

 

 しかし、これら3つの世界大戦の準備として、Knechtelは、通貨システムの堕落が役立ったと主張している。「過去100年間の絶え間ない人為的な危機がなければ、我々の富は20倍に増えたであろうが、紙幣システムと高税はそれを感じさせない。[...]彼らの嘘に耳を傾けないで欲しい!」

 

 Attila Hildmannによって、我々はついに反ユダヤ主義の底に到達した。「ユダヤボルシェビキメルケル」、ドイツにおけるユダヤ中央評議会委員かつ女性科学者に対する彼の憎悪的な攻撃、ならびに水平思考デモの文脈での暴動の出現は、衆目を集めた。ヒルドマンは、ペルガモンの祭壇やバビロニアのイシュタル門などの略奪された美術品でも有名なベルリンのペルガモン博物館を「悪魔の玉座」と表現し、その破壊を呼びかけた。 2020年10月に博物館は実際に被害を受けた。同時に、ヒルドマンはビーガン製品に加えて「ジークフリート・ターラー」の購入を彼の陰謀論信者に勧め、仲介した。これは金と銀で作られた非常に高価なメダルであり、それらの原料価値の数倍と想定される価格のコインとして販売されている。

 

 貴金属販売者の驚くほど均一な販売網を調査するとき、私は、特に銀行家として、よく知られている「振り込め詐欺」を思い出す。電話の発信者は、怯えた人、特に高齢者に銀行からお金を引き出して「安全のために」渡すように説得するために、親戚、警察官、検察官などの信頼できる人のふりをする。しかし、陰謀起業家は顧客への脅迫を終わらせることは決してなく、代わりにさまざまなメディアやトピックによって何年にもわたってそれを続けている。マックス・オッテは、2006年の"Der Crash kommt"(破綻がやって来る)で、金価格が「すぐに」1オンスあたり2,000ドルに上昇すると発表した。これは、投機的な貴金属が14年経ってもまだ到達していないレートである。オッテの自己管理型ファンドのリターンは、その他の「破綻預言者」のリターンと同様に、恥ずかしくなるほど弱かった。しかし、陰謀の先駆者は明らかに利益を上げ、危機の時に陰謀論を信じる新しい顧客を獲得している。

 

 以上である。記事自体は冗長かつ鋭さのない、凡庸な内容であったと思う。世界的に様々な陰謀論が吹き荒れているようである。以前はごく限られた少数の妄想やカルト宗教組織のような閉鎖的集団における狂気に過ぎなかったものが、インターネットの出現により、不特定多数かつより広範な支持を得るようになったのだろう。日本語のYoutubeなどにおいてもこの類の動画が少なくないが、こうした陰謀論の多くが何らかの思想信条に基づいた政治的あるいは精神的運動ではなく、単なるビジネスモデルであるという指摘は、新鮮であった。

 

 いずれにせよ、嘘ばかりが目立つ世の中である。誰かが「言葉は嘘を付くために生み出された」と言っていたが、そのとおりであると思う。すべてがビジネス(つまり、金儲け)となってしまったこの世の中では、言葉は専ら嘘を付くことにしか使用されなくなってしまったのであろう。

Querdenken(1)

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 見ているドイツ紙(ZEIT online)に、気になる記事が掲載されていたので、雑に和訳してみる。記事のタイトルは、"Querdenken: Die libertäre Verschwörungsmythologie des Geldes"(水平思考:貨幣の自由主義的陰謀神話)。「水平思考運動のイデオロギーは、「世界システムの崩壊」と発券銀行の圧倒について語っている。彼らはこれを陰謀論反ユダヤ主義と結びつけている。」Michael Blume(宗教学者)による寄稿。以下、内容である:

 

 老婦人は、普通預金口座とチラシを握りしめながら、やや心配そうにある銀行の支店に足を踏み入れた。それから彼女は私に次のようにささやいた-「すぐに引き出せるように貯蓄預金から当座預金に預金を振り替えて欲しい。お金を貯金しなければならない。」その婦人の持参してリーフレットに金ののべ棒の写真が見えた。バーデン・ヴュルテンベルク州の小さな町の若い銀行員として、私はその金額に衝撃を受けた。ここで、この老婦人は、売り手に利益をもたらすだけの、非常に投機的な取引のために彼女の貯金を危険に晒していた。「振替金額が多いので、認証がすぐに必要です」、と私は説明し、支店長のオフィスに急いで向かった。彼は状況に気付くやいなやすぐに反応した。彼は顧客であるその老婦人を彼のオフィスに招き入れて話し合い、彼女が大きな誤りを犯すことから救った。1990年代末のある日の夕方、私はこの迅速な対応に対して表彰を受け、そして多くの裕福な人々の恐れについての簡単な紹介を受けた-彼らは預金が価値を失いかけていること、何よりも迅速に密かに貴金属を購入し、胡散臭い投資をする必要があると説得されていた。


 約20年後、驚いたことに、私は再び、貨幣価値の喪失とそれに対応する陰謀神話に関する同じ恐れに直面した。ユーロはすでにドイツマルクに取って代わり、私は経済学から宗教学を研究するようになった。コロナパンデミックでは、抗議運動の著名な人物が、パンデミックの否定と軽視を、金融セクターだけでなく、彼ら自身のビジネスモデルと利益についての粗野な、時には反ユダヤ主義的に訴えられた陰謀と混ぜ合わせている。陰謀神話を長い間扱ってきた反フェイクニュースブログ"Volksverpetzer"のThomas Laschykは、抗議の真っ最中、そして陰謀起業家の増収増益を考慮して、次のような結論に達した:「いわゆる『水平思考』はおそらくビジネスモデルであり、活動家運動ではない。」


 陰謀起業家は、彼らの信奉者からかなりの金額を受領することに成功している-すなわち、物議を醸す寄付を受け入れ、Tシャツや書籍などの商品を販売し、メディアの購読や秘儀的な製品を通じて、インターネットポータルを介した広告収入を通じて、そしてかなりの程度まで貴金属および金融商品の販売を通じて。その際、繰り返されるパターンとイデオロギーの断片を認識することができる-たとえば、医学教授のSucharit Bhakdi(スチャリット・バクディ)は、陰謀神話に満ちた彼のベストセラーの著書の中で、奇妙な方法でCovid 19パンデミックの危険性を否定し、数十万人の視聴者を有するYouTubeチャンネル「ケトナー貴金属」"Kettner Edelmetalle(Gold&Silver)"上で、いわゆる「ワクチン接種」の陰謀と脅迫された収用を警告した。バクディは、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州のドイツ・ユダヤ文化大臣であるKarin Prien(カリン・プリーン)を「子供たちを二酸化炭素中毒にした」と非難した。これは、このCDU政治家が早い段階でマスク着用を支持して発言したためである。「貴金属」販売者であるドミニク・ケトナーは、水平思考のデモ参加者のための連帯演説でバクディに同意した。スチャリット・バクディの1週間後、スイスの陰謀論先駆者であるダニエレ・ガンザー(Daniele Ganser)が、「ケトナー」貴金属の販売のためにYouTubeチャンネルに出演することを許可された。

 

 バーデン・ヴュルテンベルク州政府の反ユダヤ主義に対する代表として、私は2020年春の最初のコロナ第一波の間に、反ユダヤ主義的発言のためにRBBから解雇されたケン・ジェブゼンを-結局は失敗に終わったが-シュトゥットガルトビューネでの講演者として呼ばないように、水平思考に対しすでに警告していた。しかし、水平思考-711組織が憲法擁護庁によって監視される一方で、後にKenFMスタジオのゲスト、金融商品の販売者、バリューユニオンのメンバーであるマックス・オッテは、「起業家、広報担当者、経済学者」として発言した。彼はすでに2019年夏に、AfDとの関係と、右翼過激派によるカッセル地区議長ヴァルター・リュブケ(Walter Lübcke: CDU)暗殺に関する軽蔑的な発言により、CDUからの除名を要求された。2021年の初めまでAfD系列のDesiderius Erasmus 財団の理事会メンバーでもあったオッテは、2019年6月に次のようにツイートした。「#リュブケ-ついに#主流は新しい#NSU事件を起こし、それを掻き立てることができる。#殺人者は経済的に恵まれなかったようだ#単独犯であるが#メディアはすでに›右翼のシーン‹に反対する、何かと言うと常にそれは、#右翼過激主義」。そして大規模な市民の抗議の後にのみツイートを削除した。2020年5月31日にシュトゥットガルト証券取引所で行われた水平思考の演説で、オッテは彼の著書 "Weltsystemcrash"(世界システム破綻)を宣伝し、「コロナと現金廃止は同じコインの両面である。これらはビジネスモデルである。[.. 。]その背後には財政的に強いロビー運動がある。残念ながら、その背後には多くの政治家もいる。」オッテの演説は、「非常に強い力」でささやいたが、現在、数万と6,000以上の「いいね」で視聴されている、マルクス・ゲルトナー(Markus Gärtner)のYouTubeチャンネル"Privatinvestor-Politik-Spezial"においても拡散されている。


 金販売者と陰謀論者:Covid-19のパンデミックが「現金廃止」に役立つという考えは、まったく奇妙に思える。それにもかかわらず、オッテは彼の著書 "Weltsystemcrash" で世界的な陰謀の存在を主張し、それはとりわけアメリカの政治学者ジョージ・フリードマンを想起させる。それは「ドイツの技術とロシアの資源の組み合わせを防ぐための100年間のアメリカの戦略」であった。国粋主義的、人種差別主義、反ユダヤ主義の暗示が混ざり合って、オッテは、たとえば「大量移住」も「皮肉な帝国の技術」である可能性があると主張するとき、彼の粗野な陰謀の信念を読者に納得させようとする。「バビロニア人でさえ、よりよく制御するために、イスラエル民族を移住させた。」あるいは、差し迫った破綻が「金融ロビー」によって実行されていると想定する。オッテによれば、適切なシステムだけが助けになる。「ゴールドは中央銀行と現代の経済学者の天敵である。[...]ゴールドと現金のない世界の通貨システムは中央銀行と政府にとって楽園になるに違いない。」一方、「物理的ゴールド」を保有する「プロ投資家向けAIF(オルタナティブ投資ファンド)」であるマックス・オッテ・マルチプル・オポチュニティ・ファンドは、明らかに効果的である。マックス・オッテ・資産形成ファンドとPIグローバル・バリュー・ファンドも一般に公開されている。

 

(続く)

中国とロシア

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 見ているドイツ紙(ZEIT online)に気になる記事が掲載されていたので、雑に和訳してみる。記事のタイトルは、"China und Russland: Freundschaft mit Grenzen"(中国とロシア:限界のある友好)。「中国とロシアには多くの共通点がある。しかし、大国としてのロシアの誇りと自己認識は、長期的には格下のパートナーとしての立場に甘んじることはできないであろう。」北京のMichael Radunskiによる寄稿。

 

 アンゲラ・メルケルとハイコ・マースは警戒している。ドイツの首相および外相は、ロシアが中国の片腕になるべきではないと共に警告したーそして、例えば、ノルトストリーム2に対する固執を正当化する。

 

 ドイツとロシアのパイプライン計画は、西側で非常に物議を醸している。しかし、この国で議論が続いている間、同様の計画はすでに数千キロ東で現実化している。すなわち、ノルトストリーム2に対応する中ロのそれは「シベリアクラフト」と呼ばれている。2019年以来、このパイプラインはヤクートから中国に天然ガスを供給している。中国は今後30年間、ロシアのガスを4,000億ドルで確保した。

 

 中国とロシアの再発見された近接性は、資源の取引に限定されないことがこの3月に再び明らかになった。アラスカでは中国と米国の間の冷ややかな氷河期が優勢であったが、中国とロシアは中国南部の桂林で開かれた外相会議で可能な限り最高の調和を示した。中国国際研究所のRuan Zongzeは、中国紙"Global Times"(環球時報)においてグローバルな方向性を強調した。「自国の覇権を主張するために、米国が多国間主義を装ってそのイデオロギーを押し付け他国に干渉する一方で、中ロ両国は多国間世界でグローバルな正義を支持する決意を示している。」

 

 この立場は、金融およびテクノロジー分野から国際外交まで、幅広い協力に長い間反映されてきた。


 国際金融市場では、両国の主要な目標は世界の準備通貨としての米ドルに取って代わることであるーそして少なくとも二国間貿易では、この目標は近年著しく達成に近づいている。2020年に初めて中国・ロシア間貿易の半分以上がドル決済ではなかった。


 次の中間段階として、桂林での会合でロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、Swift(スウィフト)などの西側の決済システムをできるだけ早く放棄すべきであると求めた。「ワシントンはSwiftシステムを恣意的に特定の国々を制裁するために悪用している。このやり方は国際的な不満を生み出している」とDong Dengxin は環球時報に語った。武漢大学の金融証券研究所の所長は、「中国とロシアが共同でドル覇権に挑戦することに成功すれば、多くの国々が新しいシステムに参加するだろう」と確信している。Dongは中国の貿易力の拡大を指摘し、決済通貨として米ドルの代わりに人民元を提案している。ロシア・トゥデイによると、多くのロシアの銀行は、主に二国間貿易を処理するために、すでに中国国際決済システムに参加していると言われている。Dongは、このシステムを徐々に拡張することを推奨するー例えば、新シルクロードの一部として中央アジアへの拡張のように。

 

 もう1つの重要な分野は、電気通信とネットワーク技術である。アメリカ同様に、中国もますますこの分野に国の発展がかかっているので、ロシアは自国の専門技術の欠如を考慮して、一方を選択する必要があるーそしてその傾向は明らかである。西側で物議を醸している中国の技術グループHuaweiは、ロシアの企業MTSと合弁でロシアでで5-Gネットワークを構築する。ロシアは高速インターネット網を享受し、Huaweiは巨大な販売市場を獲得する。

 

 宇宙開発でも補完的な利害状況が確認されている。中国は米ロに追いつくために競争しており、近年多くの成功を収めている。中国は月の裏側に到達した最初の国であり、天問1号によって火星にミッションを送り、嫦娥ミッションは12月に月の岩石サンプルの収集に成功した。しかし、米国の妨害により、中国はこれまで国際宇宙ステーションISSなどの国家間協力から除外されてきた。

 

 一方、ロシアはISSに属しているが、かつての主要国の大成功はもはや過去になった。そのため、ロシアの宇宙機ロスコスモスと中国の宇宙行政は、3月の初めに共同で月面基地を建設することに合意した。

 

 これまでで最も目に見える成功は、国連本部で達成された。ここで、中国とロシアは、安全保障理事会を定期的に阻止することによって西側を弱らせているーそれは、バシャール・アル・アサド周辺のシリア政権を、または最近ではミャンマー軍部を非難決議から守るためである。中国とロシアは、西側は「内政」から遠ざかるべきことに同意している。これは、自国の事例へのそれを阻止するためである。すなわち、中国側ではこれは香港と新疆ウイグル自治区であり、ロシア側ではクリミア併合あるいはアレクセイ・ナワルニーのような野党メンバーとの闘争である。

 

 そして、両国間の親和性は現在、両国のトップにある。習近平ウラジーミル・プーチンは、「強い男」の政治的スタイルを表している。両者ともに国内の権力競争を最大限に抑制する。どちらも憲法上の任期制限を撤廃した。相互間の尊敬は非常に厚く、2019年に習は「プーチン大統領は私の親友である」と公に宣言した。

 

 これらすべてにもかかわらず、中国とロシアの友好関係は恋愛関係ではない。利益が補完的でない場合、協力はすぐに競争に変わる。これは、両大国の影響力の伝統的な領域で明らかになる。

 

 ここで、何よりも、習の威信プロジェクトが問題を引き起こす可能性がある。新シルクロード中央アジアを通過する。この地域はロシアが自国の裏庭と見なしている。これまでのところ、北京はこの事情に注意を払ってきた。2016年にタジキスタンに基地が開設されたとき、モスクワは事前に協議されていた。

 

 しかし、新シルクロードプロジェクトは、この地域の最も重要な貿易相手国としてロシアに取って代わった。国連貿易開発会議(UNCTAD)の試算によると、2019年の中国と中央アジア諸国との貿易額は464.7億米ドルであったが、ロシアは286.4億米ドルのみであった。

 

 それは南シナ海の逆であり、中国は、ベトナムのような国々との伝統的に良好な関係にもかかわらず、ロシアが慎重に自制することを警戒している。

 

 しかし、最初の動揺は北極圏での競争に見ることができる。そこでは、北極圏に隣接する国としてのロシアが、自称「北極圏国家」としての中国の野心を疑っている。

 

 軍事分野では合同作戦が増えているが、ここでも不信の隔たりが広がっている。ここ10年間は、ロシアはSU-35ジェット戦闘機やS-400ロケットなどの最新の兵器を中国に高額で売りつけることができなくなっていた。中国はこの分野でも追いついてきており、もはや最新の技術にしか関心がない。しかし、プーチン大統領は、ロシアの軍用機器を北京出身の友人と共有する準備ができていないことを繰り返し明らかにしている。そして、民間航空のようなそれほど敏感でない分野でさえ、大胆な発表はこれまでのところほとんどない。

 

 中国はそれに応じて隔たっている。プーチン大統領が昨年10月に中国との同盟関係を公に排除することを望まなかったとき、北京は丁寧に拒否した。「軍事同盟は冷戦の一部だった」とCheng Yijunはサウスチャイナモーニングポストに語った。中国とロシアの軍事同盟は、中国を自国の利益がない紛争に巻き込むだろう、と中国社会科学アカデミーの研究者はこの拒否を説明している。

 

 ロシアと中国の間の幅広い協力は、メルケルとマースの懸念が現実化することを示している。2014年に西側諸国がロシアのクリミア併合に際して制裁を課したちょうどその時、クラフトシベリアパイプラインの建設が開始された。ロシアはプーチンの下で東に向かっている。

 

 確固たる同盟、あるいは過去のように、彼らが自分たちを「社会主義兄弟国家」と呼んだときのイデオロギーの最前線は現れていない。むしろ、それは実用的なレアルポリティークの問題である。

 

 東側の想定される友人たちはまだ相互に補完する。しかし、中国の台頭はすでに紛争の脅威である。ロシアの大国としての誇りと自己認識は、長期的には中国の格下のパートナーとしての地位とうまく調和するのは難しいであろう。

 

 以上である。中国がロシアを呑み込もうとしているが、ロシアはそれに耐えられないであろうとのこと。

伊豆富戸

 不謹慎かもしれないが、この週末に久しぶりに伊豆富戸に行ってきた。以下、宿泊した部屋からの眺め。

 

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夕食の献立の一部

 

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 今回は、天候には恵まれたが、気温が思ったより低めで、海岸に出ることもなく、マスク着用で部屋と露天風呂を行き来していただけであった。小さい宿なので、宿泊客に遭遇することは、まずない。東京もそうであるが、つつじ・さつきが咲き出していた。例年より1ヶ月程度早い気がする。

 

 今から20年ほど前、現パナソニックの元研究員でその当時は環境保護活動に従事していたある人を知った。彼は、現行の政治経済体制は、このままでは持続可能でないと主張し、現代文明自体の抜本的改革を訴えていた。その主張はもちろん正論ではあったが、実現性は私の目からはほぼ0であった。そんな彼が2021年ごろに今の世界秩序は崩壊すると言っていたのを思い出した。図らずも、その予言は的中したような気がするーコロナ禍という形で。

 

 さて、ここからは完全な与太話である:実は彼は、1991年のソ連崩壊、2001年のアメリカの崩壊(同時多発テロ)を予見したとも言われていた。彼は決して巷に溢れている詐欺師や胡散臭い人物ではなく、古典音楽にも造詣が深い、阪大出身の優秀な技術者である。臨死体験を通してそれを知った、そう彼は述べていた。それで当時私は、それでは2011年は何もないのかな?と何気なく思った記憶がある。今にして思えば、それは日本の崩壊ー原発事故であったのでは。そして彼はそれを知っていたのかも知れないーもちろん、絶対に口外しなかったであろうが。

コロナ禍とオリンピック

 最近たまに見ているドイツのラジオ局(Deutschlandfunk)のサイトに、連日のようにオリンピック関連の記事が掲載されているので、無視し続けるわけもいかず、その中で総括的と思われる記事を、例によって機械的に訳してみる。タイトルは、"Trotz Corona-Pandemie: Warum Japan an den Olympischen Spielen festhält"( コロナ禍にもかかわらず、日本がオリンピック開催に固執するわけ)。

 

東京オリンピックが今年開催されるかどうかは不明瞭である。多くの日本国民は開催に反対している。さらに、競技は赤字になる可能性がある。しかし、主催者がオリンピック開催に固執するのは、金と面子だけではない。」フェリックス・リル(Felix Lill)の記事。以下、内容である:

 

 今月初め、東京で非常に珍しいシーンが登場した。小泉純一郎菅直人が記者会見で一緒の席に座った。実際、この二人の首相経験者は政治的なライバルである。小泉氏は与党「自民党」の保守派であり、菅氏は左派リベラルの「民主党」に所属している。

 

 しかし、二人の元首相は一つの事項に関して団結している。それは原発との戦いである。 10年前、東北地方の福島第一原子力発電所が事故を起こした。それ以来、日本では、原発の段階的廃止に関する事柄ほど二極化した問題は存在しない。それで、小泉と菅は現政権に反対する。

 

 しかし、二人の政治的ライバルは、最近同様に物議を醸している別の問題にも意見の一致を見ている。すなわち、7月に予定されている東京オリンピックを開催するべきかどうか、である。

 

「まあ、わかりません...この状況では」と小泉純一郎は言うーそして菅直人はこう付け加える。「それをこのように表現しましょう:それは非常に、非常に困難です」。

 

 対立する政党の二人の元首相が揃って、この夏の東京オリンピック開催に対し疑義を表明している。これほとんど歴史的である。ほんの一年前までは、日本でこの世界最大のスポーツイベントに反対する声は、ほとんど存在しなかった。しかし、その後、コロナパンデミックが広がり、それとともに、オリンピックに非常に熱心だった東アジアの国に懐疑論が広がり始めた。

 

 昨年末の共同通信世論調査では、80%が今年の夏に東京でオリンピックを開催すべきでないと回答した。Yahooのオンライン調査によると、3月の初めにはほぼ90%に達した。「東京2020」は、おそらく歴史上最も人気のないオリンピックである。それでは、なぜそれほどまでに開催に固執するのか?

 

 上智大学政治学教授である中野浩一氏は、(日本では)すべてが民意とはほとんど関係がない、と述べている。「オリンピックに対する一般の人々の態度が、非常に人気のあるものから非常に人気のないものに変わったことは事実である。しかし、日本は世論が何らかの政治社会的事象について影響を持つ社会ではない。性差別的な発言によって辞任を余儀なくされた前組織委員会会長の森喜朗も、全く人気がなかった。彼はまた、20年前に首相であったときも、人気がなかった。しかし、彼ははある特定のサークルにおいて非常に堅固に支持されているため、権力を持つ。誰も彼を下ろそうとはしなかった。」

 

 そして、これはオリンピックにも当てはまる。中野氏は次のように述べている。「オリンピック自体、スポーツにはそれほど関心がないのではないかと考える人が増えている。もう誰もオリンピックを欲しがらないのなら、それは誰の役に立つのか?そして多分ここで莫大なカネが問題になっている。 そしてそれが世論が無視される理由である。」

 

 少なくとも表現は最近変わった。組織委員会会長に就任した橋本聖子氏は先週、日本のメディアに次のように語った。「民意は重要である。安心がなければオリンピックを開催するのは難しい」。

 

 そのため、主催者は国民の支持を取り戻そうとしている。それに関して、とりわけ、観客について新たに問題となっている。また、オリンピック競技のために特別に建設された多くの競技場を無観客のままにしておくのかについても不明である。調査によると、この問題については意見が分かれている。しかし、オリンピック=カネの問題である場合、空の競技場は悪いアイデアである。


 大阪の関西大学の調査によると、無観客により190億ユーロの収益が失われる可能性がある。経済学教授の宮本勝弘氏は、次のように説明している。「競技場に観客がいない場合、失われるのはチケット収入だけではない。損失には他に2つのタイプがある。第一に、新築ホテルはすべて空のままであり、会場周辺の消費は止まり、広告活動は減少する。一方、日本に来た観客が母国で日本の素晴らしさについて話すと、レガシー効果が生じる。そうすれば、さらに多くの人々が日本への観光に興味を持つであろう。それもレガシー効果であり、それも失われるであろう。」

 

 比較すると、190億(ユーロ)は、コロナのために1年間延期を余儀なくされた2020年の競技の推定コストとほぼ同等であった。いわゆる「レガシー効果」、つまりオリンピック後の投資による持続的な利益は、約70億(ユーロ)に半減する。

 

 しかし今週から、新しい選択肢が議論されるようになった。観客は競技場に入場できるが、海外からの観客は許可されない。共同通信は火曜日、これはすでに決定されていると発表した。組織委員会は、この報道の真偽についてコメントするのを避けている。月末にこの決定を発表する予定とのこと。

 

 もっぱら日本国内からやって来る観客は、いわば、経済崩壊を回避するであろう。しかし、「東京2020」は依然として大きな赤字事業であり、人気のない事業でもある。


 大阪大学の木戸衛一教授は、オリンピックが未だ中止されない原動力は、カネと並んで政治でもあると認識している。とりわけ、東京の小池百合子知事に関しては、次のように認識している。「それで、なぜ彼女は東京都の知事なのだろうか? 彼女にとって、これは首相になるためのほんの一段階である。彼女にとって、これは一つの舞台である。 小池もポピュリストである。そして日本政府もオリンピックの開催を絶対に望んでいる」。

 

 一方、木戸氏は、小泉純一郎菅直人の二人の元首相が特に懐疑的になる理由で、日本政府がオリンピック開催を望んでいる、と述べた。「日本で東京オリンピックを開催する一つの動機は、フクシマを忘れさせることである。それによって日本が原発を継続できるように。そして、彼らは福島の状況がまったく制御されていないことを確実に知っている。」

 

 2013年の夏の終わりに東京がオリンピック主催権を獲得したとき、安倍晋三首相は反対のことを主張した、「すべてが制御されている」と。これを示すために、今年も福島でオリンピック野球大会が開催される。しかし、そこは、原発からわずか60キロの距離の、避難勧告すらなかった都市である。

 

 以上である。その他、外国人観客やボランティアを締め出した今回の決定に対し、日本の閉鎖性・独善性に対する批判的な記事が目についた。

池上で昼食

 久しぶりに池上まで行って外食してきた。以下、自宅近くの神社。桜が満開である。

 

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 この神社の主

 

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 本日の昼食処。以前よく行っていたイタリアンレストラン。ほぼ一年ぶりである。

 

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 これから花の季節なので、週末はなるべく散歩に出掛けたいと思う。

米国と中国

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 見ているドイツ紙(ZEIT online)に気になる記事が掲載されていたので、雑に和訳してみる。記事のタイトルは、"USA und China: Klare Kante"(米国と中国:クリアエッジ)。「米国は戦略的パートナーシップに依存し、中国は経済的結びつきに依存している。両者の間に緩和は見られない。成功するのがどちらかまだわからない。」Theo Sommer(テオ・ゾンマー)のコラム。以下、内容である:

  

 欧州連合がコロナ禍への対処に苦心しており、ドイツがイースター休暇とジェンダー問題で紛糾している一方で、次の冷戦の地政学的対立構造は、最近叫ばれているように、アジア、つまりインド太平洋で出現している。米国と中国のと間の紛争の線はますます激しくなっている。米国は主に戦略的パートナーシップに焦点を合わせており、中国は経済的結びつきに焦点を合わせている。問題は、最終的にどちらがより強力になるかということである。

 

 アンカレッジでは、先週木曜日に敵対者であるアントニー・ブリンケン米国務長官楊潔篪政治局委員、王毅外交部長 (外相)が衆人環視の泥沼の戦いを繰り広げた。彼らは間違いなく、和解は言うまでもなく、緊張緩和でさえ決して考えられるべきではないことを明らかにした。

 

 ブリンケンは、香港での人権侵害、新疆でのウイグル人抑圧と台湾に対する脅威、米国へのサイバー攻撃、そして米国の同盟国の経済的強制など、米国の非難すべてを中国の首脳に投げつけた。「これらの行動はすべて、世界の安定が支えられているルールに基づく秩序を脅かしている。したがって、これらは単なる内政問題ではない。」

 

 楊潔篪は、アメリカを偽善と人種差別で非難し、反撃した。新疆、チベット、台湾は中国の不可分の部分である。したがって、内政への干渉は、徹底的に拒否されるべきであると。そしてとにかく、誰が何を必要としているのか?結局のところ、軍事力と財政的覇権を利用して他国を抑圧し、世界の他の国々に民主主義を課しているのは米国であると。

 

 中国は歴史が自分たちの味方であると考えている。彼らは、アメリカが支持する普遍的な価値観を否定するために世界の多数派に依存しており、また、世界秩序のために西側の少数派によって設定されたルールをもはや認めようとしない。彼らは、2020年の終わりまでに中国の経済パフォーマンスがアメリカのそれを上回り、2035年までにこの国が人工知能を含むすべての主要分野で技術的優位を達成すると信じている。同時に、人民解放軍武装と近代化は、従来の計画より7年早く2027年までに完了するはずである。これは恐らく台湾をめぐる紛争で中国に優位性を与えることを目的としているようである。

 

 米国のジョー・バイデン大統領は、ドナルド・トランプの鋭いアプローチに遅れをとらないが、焦点と目的の点で不安定であった彼の前任者の路線をはるかに超える方針でこれに対抗する。バイデンは、トランプの懲罰的関税を維持し、ハイテクの輸出と60社に上る中国のIT企業への投資を禁止した。彼は、ウイグル人の抑圧と香港の市民的自由の停止に対する制裁にさらに20件追加した。彼は貿易交渉を拒否し、戦略的対話には何の関係も望んでいない。これを行うために、彼は早い段階で空母艦隊を台湾海峡に派遣した。新たに設立された中国タスクフォースは、中国との交渉を調整する部局である。

 

 しかし、何よりも、バイデンは、同盟を結ぶことを望まないトランプとは異なり、中国を封じ込めるために「民主主義の同盟」を構築している最中である。彼がヨーロッパをどこまで巻き込めるかはまだ予測が難しい。しかし、アジアでは、彼は完全に中国に対する連合を作る過程にある。キーワードはクワッドである。

 

 Quadとは、Quadrilateral Security Dialogueの略語であり、米国、日本、オーストラリア、インド間の安全保障問題に関する非公式のディスカッショングループである。それは、南シナ海における中国の野心に対応するために、2007年に日本の安倍晋三首相によってなされた提案に遡る。しかし、中国が西沙群島と南沙諸島を占領し、その艦隊を強制的に拡大し、海外の海軍基地を追求したことにより、対話が重要になったのは10年後のことであった。3月12日、バイデン、インドのナレンドラ・モディ、オーストラリアのスコット・モリソン、日本の菅義偉によって仮想4ヶ国サミットが開催されたが、そこでは「自由で開かれたインド太平洋地域」の重要性が強調された。東京とソウルでの米国国務長官と国防長官の会談は、特にアジアで、クワッドへの関心を高めた。


 四ヶ国の対話パートナーはすべて習近平の中国に問題を抱えている。米国は西太平洋での覇権を擁護したいと考えている。日本では、2020年には333回もの沿岸警備隊の配備によって裏付けられた、尖閣諸島に対する中国の主張に警鐘を鳴らしている。ヒマラヤ国境では、中国は、最近では昨年6月にインド軍との激しい戦闘を繰り返した。そしてオーストラリアは、この1、2年の間、中国によるボイコットとジャーナリズムの敵意の対象となってきた(「中国の靴底のチューインガム」と、準党機関誌の環球時報の編集長である胡錫進は述べる)。

 

 しかし、クワッドはアジアのNATOではない。ニュージーランド、韓国、フィリピン、ベトナムが追加された場合も同様である。安全保障政策について議論し、共同軍事演習を組織し、あるいはまた、世界のワクチンの60%を生産しているインドを財政的に支援して、その生産を拡大し、中国のワクチン外交に対抗することもできる。

 

 クワッドがNATOになれないのはなぜだろうか?説明は簡単である。NATOでは、どの国もがソ連に対抗する必要があった。その一方で、NATOは経済的には何の役割も果たさなかった。中国は異なる。その政策に反対する人々を含むすべての国が、この国と経済的に密接に結びついており、それに依存している。楊潔篪は、ブリンケンに、彼が訪れたばかりの二ヶ国、日本と韓国が中国にとって2番目と3番目に重要な貿易相手国であると悪意を持って指摘した。

 

 シンガポールの外交官であり政治学者であるキショア・マブバニは、次のように確信している。クワッドはアジアの歴史の流れを変えることはない。第一に、四ヶ国は非常に異なる利害と脆弱性を持っている。第二に、アジアの壮大な戦略ゲームは軍事的なものではなく、経済的なものである。2020年末に中国が15のアジア太平洋諸国を結集させた世界最大の自由貿易地域である地域包括的経済連携(RCEP)をほのめかし、彼は次のように指摘した。「アジアの未来は、QUADではなくRCEPの4文字で書かれている。」

 

 以上である。最近、中国関連の記事が多い。基本的に中国脅威論的な内容である。あまりに経済的成長が急速すぎるのである。あの硬直的かつ時代遅れの一党独裁体制と、それに不釣り合いな経済パフォーマンスという不均衡が、この国の安定性を破壊するのではないかと危惧している。なぜならば、それは日本をはじめとした周辺諸国に重大な影響をもたらすはずであるから。

保護観察中のエリート部隊

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 昨年の記事であるが、見ているドイツ紙(ZEIT online)に気になる話題が掲載されていたので、雑に和訳してみる。記事のタイトルは、"Kommando Spezialkräfte: Eliteeinheit auf Bewährung"(コマンド特殊部隊:保護観察中のエリート部隊)。「右翼音楽、剣闘士競技、失われた弾薬ーKSKドイツ連邦軍部隊は独自の危険な活動を醸している。部隊の運用中にこれを終わらせるのは困難である。」Kai Biermann と Thomas Wiegold による分析。以下、内容である:

 

 創設25周年の1年前、ドイツ連邦軍のコマンド特殊部隊(KSK)は、歴史上最も深刻な危機に瀕している。アンネクレート・クランプ-カレンバウアー国防相(CDU)の委託を受け、エーバーハルト・ツォルン総監の命でエリート部隊を調査した、構造分析書の作成者は、「右翼過激派の疑いのある症例の蓄積」について訴えた。「一部の幹部による不健全なエリート理解に基づいて、これまで効果的に対処されていない構造が出現した。」この文化によって、ドイツ連邦軍の最高の兵士が「過激派的傾向の温床に発展した」模様であると批判している。

 

 ドイツ連邦軍の基準で言えば、コマンド特殊部隊は比較的新しい部隊である。この旅団は1996年9月に創設された。その2年前、ドイツ軍は、ドイツ人を危険な状況から脱出させるという重要な能力に欠けていることを発見した。1994年のルワンダでの大量虐殺に際して、ドイツ連邦軍キガリに閉じ込められたドイチェ・ヴェレの職員を救出し、国外に連れ出すことに失敗した。その結果、シュヴァルツヴァルトのカルフに駐留するKSKが結成された。部隊は主にバルカン半島戦争犯罪者を追い詰め、アフガニスタンの反乱軍を掃討した。


 数年前、部隊の一部に右翼的傾向があり、憲法違反の過激主義にさえつながる可能性のある閉鎖的な傾向を発達させていることが明らかになった。2017年4月の部隊内送別式では、ナチス式敬礼が行われ、古代ローマ風の剣闘士競技が開催されたが、その際、極右系の音楽も演奏された。


 ドイツ連邦軍はそれを追求し、その結果、中佐を含む何人かの兵士が除隊を余儀なくされた。遅くとも2020年5月中旬までに、ベテランのKSK准尉の所有地の捜索、およびドイツ連邦軍由来の弾薬と爆発物の発見により、この問題は臨界点に達したように見えた。国防省と軍指導部が行動を起こした。「この展開を食い止めるために、問題のある構造は破壊されなければならない」と、Zorn総監は述べた。

 

 国防相が総監と彼の作業部会の助言に基づいて下した措置は、以下の通り:当面の間、エリート部隊全体を維持すべきである。ドイツ連邦軍は、コマンドとその機能を放棄すべきではなく、放棄を欲していないからである。しかし、クランプ-カレンバウアーと軍指導部が維持しなければならないこのバランスは、微妙である。特殊部隊は必要であるが、同時に、部隊から右翼過激派活動を一掃する必要がある。


 したがって、大臣がKSKのために命じた構造上の変更は、主に2つの領域を対象としている。すなわち、1つは、作業部会が右翼過激派の繁殖拠点として特定した部隊の部分である。もう一方では、部隊全体と同様に、訓練構造がドイツ連邦軍の他の領域から隔離されており、独自の気風を醸成しており、他の部隊との交流はない。クランプ-カレンバウアーへの長い手紙の中で、あるKSK大尉は武装親衛隊のような服従の認識がそこで培われたと批判した。

 

 結果として、クランプ-カレンバウアーは、2017年の疑惑の送別会から武器、弾薬、爆発物の発見まで、過激派思想が醸成される可能性のある中心的なサークルを形成したKSKの第二中隊を解隊したいと考えている。「したがって、この中隊の分野では、個別の対策ではもはや十分ではないようである」と、Zorn総監は彼の勧告で述べている。「長年にわたってそこで成長した誤った指導文化と過激派傾向の温床を排除するために、第二中隊は解隊する必要がある。」

 

 しかし、Zornの広範な報告書は、独自ランクの右翼過激派がKSKが直面している問題の一部にすぎないことも示している。何年にもわたって、旅団は他の部隊からの孤立を促進したエリート的理解を深めてきた。兵士たちは何年も特殊部隊に配属され続け、ドイツ連邦軍の他の領域との交流はなかった。軍事保安局MADの局長であるクリストフ・グラムはまた、「兵員の長期の待機時間」はKSKの問題だけではないことを警告した。すなわち、「特定の問題が発生しないように、指導人員、つまり訓練に従事している人員は、定期的に異動させる必要があると私は考えている。」

 

 これがまさにこれから変更される点である。国防相は、KSKを「ドイツ連邦軍に再統合」しなければならないと訓示した。 KSKがこれまで独自に組織してきた訓練は、陸軍の訓練体系に統合される。コマンドは将来他の部隊に所属し、幹部は特殊部隊の外で経験を積まなければならない。コマンド部隊などの将校は限られた期間だけエリート部隊に所属する。

 これに伴い、大臣はまた、代議士のペーター・タウバーが連邦議会の国防委員会に宛てた書簡で「弾薬と爆発物の取り扱いにおける重大な規律の欠陥と手続き上の問題」と呼んだものを解決したいと考えている。KSK所管の62キログラムの爆発物-在庫はなく、所在は現在も不明である。それは、捜査官が5月中旬に逮捕された准尉の所で弾薬と爆発物を発見したとしても、右翼過激派が自宅に武器を秘匿しているという意味ではない。エリート部隊には通常の規則が適用されないという理解の上で、その重要な部分は、使用時に記録されなかったか、あるいは無秩序に記録されたかであった。

 

 とりわけ、これは、通常の部隊とは異なり、KSKが主に独自の備品管理を任されていることを示している。右翼過激派以上に、これは明らかに大臣の取り締まりの主な理由である。「KSKは1998年以来すべての作戦で最高の能力を発揮した」と総監は述べた。「しかし、現在の出来事と右翼過激派の事件の分析は、KSKが、少なくともいくつかの分野で、過去数年間に、一部の幹部将校の不健全なエリート理解から派生して孤立したことを明らかにしている。」それがまさに「有毒なリーダーシップ」と過激派傾向につながっただけでなく、「爆発物と弾薬の緩い使用」にもつながったのである。

 

 大臣は、コマンドを軌道に戻すために取られた60の措置が、この旅団に対する保護観察の選択肢のようなものであると信じている。10月31日の時点で、警告として、クランプ-カレンバウアーは、「生じた変更の評価を実施し、必要に応じて、さらなる措置と調整を決定する」予定である。これは、KSKの完全な解散を排除することはできないことを意味する-そして、部隊自体が新しい規制にどのように対処するかが大臣にとっての決定的な点になる。すなわち、「特にKSKの自浄能力が効果的かつ十分でない場合、KSKが今後、現在の形を維持できるかどうかという疑問が必然的に生じてくる。」

 

 以上である。閉鎖的な陸軍エリート特殊部隊内部に極右思想が流入・醸成され、不祥事を引き起こしたとのこと。ドイツ(および西側)だからこうやって明るみにされてそれ相応の対策が取られる。その点は安心である。

中国と日本

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 見ているドイツ紙 (Zeit online) に日本関係の記事が掲載されていたので、雑に訳してみる。タイトルは、"China und Japan": Wer modernisiert besser?(「中国と日本」:どちらがより良く近代化されているのか?)。「日中関係は単純ではない。カイ・フォーゲルザンクは中国と日本について書いている。」マティアス・ナスによるレビュー。以下、内容である:

 相手の言語を話せない日本人と中国人が出会うとき、彼らはしばしば一枚の紙を取り出し、書面でコミュニケーションを取る。漢字は日本語の文字でもあるからである。両民族は韓国人とともに「漢字文化圏」に属している。それは主に祝福であったが、呪いになる可能性のある親密さであった。そして相互の尊敬は、軽蔑と憎しみに変化した。

 

 「彼らはお互いに一緒にいることはできないが、お互いになくてはならない存在である」。これはハンブルクの中国学者カイ・フォーゲルザンクが日中関係を要約する言葉である。『一つの空の下の二つの帝国』に関する彼の素晴らしい本の中で、彼は紀元前221年に中国を統一した秦の始皇帝の時代に遡る。当時、日本は「渦巻く海」を超えた未知の世界であった。


 両国の発展の差は甚大であり、中国は文化的な刺激と推進力となり、19世紀に状況が逆転するまでほぼ2000年の間その状態を維持した。この関係は、唐王朝(618~907)の間に最初の頂点に達した。日本の遣唐使は、唐の抒情詩だけでなく、刑法も持ち帰った。それによって、隣国の業績は単に採用されただけでなく、さらに発展した。「このためだけに、中国の文化は何世紀にもわたって日本で保存されてきた。それは中国のままではなく、日本のものになったからである」とフォーゲルザンクは説明する。

 

 明王朝(1368~1644)では、日中関係は2番目の全盛期を経験した。しかし、その後、徳川幕府(1600~1868)の下で、日本は外界から遮断された。2世紀以上の間、日本は「鎖国」を維持した。それは、ヨーロッパの商人、宣教師、征服者と共に新しい文明がアジアにやってきた時であり、それは多くの点で中国のものよりも優れていることが証明された。


 自主隔離は19世紀半ばまで続いた。1853年にアメリカのペリー提督の「黒船」が江戸湾、今日の東京に現れたとき、日本政府は歴史的な転換を遂げた。西洋の技術、西洋の法律、そして西洋の行政は、明治時代(1868年~1912年)のすべてのものの基準となった。「中国はその伝統に固執し続けたが、日本は非常に短期間で近代国家に発展した」とフォーゲルザンクは書いている。

 

 清王朝後期(1644年~1912年)の中国は、自国を改革することはできず、また望んでもいなかった。19世紀半ばのアヘン戦争の恥辱は、西洋諸国の優位性を残酷に明らかにしたが、中国の支配階級の自尊心を根本的に揺るがすことはなかった。宮廷と官僚は、その技術がどれほど素晴らしいものでも、文化的には西洋は中国にははるかに及ばないと信じていた。


 その後、革命が清王朝を一掃した。孫文は1912年1月1日に初代中華民国総統に就任した。孫文と同様に、中国の革命家の多くは日本に住み、勉強していた。自由主義マルクス主義を含む西洋の思想とイデオロギーは、日本を通して中国にやって来た。このように、フォーゲルザンクによれば、日本は「中国の近代化の原動力」となった。

 

 しかし、ナショナリズムは最も強力で最も破壊的なイデオロギーであることが証明された。ナショナリズムは日本の軍指導部と政治家に浸透した。日本はすぐに戦争を求めた。それは1930年代に満州で傀儡政権を打ち立てた。それから天皇の軍隊は南方に進軍した。彼らの残虐行為は1937年の南京大虐殺で最高潮に達し、最大30万人が殺害された。

 

 日本人への憎しみは今日でも中国で燻っている。しかし、数十年後、戦争の相手は再び経済モデルになった。1978年に両国は平和条約に署名した。同年、中国の偉大な改革者である鄧小平が来日した際、かつての敵と握手を交わした。すなわち、「過去に両国間で不幸な事件があったとしても、2000年の日中友好交流の歴史の中では瞬く間に過ぎなかった」と語った。

 

 鄧氏は、超近代的な新幹線で日本全国を視察し、非常に効率的な工場に驚嘆した。「ここに来て初めて、私は近代化が何を意味するのかを理解した」と彼は感銘を受けた。中国は追いつき始めた。そしてそれを止めることはなかった。2010年に中華人民共和国は、世界第2位の経済大国として日本に取って代わった。米国だけがまだ強かった。

 

 中国の台頭に端を発した今日の大国間の競争において、日本は同盟国であるアメリカ側にしっかりと立っている。しかし、2つのアジア文化は密接に結びついており、21世紀の西洋の考え方に挑戦するであろう。東京や北京から見ると、今はアメリカやヨーロッパの世紀ではないことは確かである。つまり、日本人と中国人はいつでも書面でお互いに話し合うであろう。

 

 以上である。当たり障りのないレビューであると思う。

ルール破りへの憎悪

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 昨年の記事であるが、見ているドイツ紙 (Zeit online) に気になる記事が掲載されていたので、内容が内容だけに、あまり気乗りはしないのだが、雑に和訳してみる。タイトルは、"Japan: Hass auf die Regelbrecher"(日本:ルール違反者への憎しみ)。「コロナ危機は、すでに克服されたと思われていたある社会的側面を示している。日本では、専門家が人種差別に加えてファシズムの兆候を観察している。」フェリックス・リルによる分析。以下、内容である:

 

 「落ち着け!」誰かが入り口の前で叫ぶ。「家に帰れ!」日本の娯楽施設であるパチンコ店の前に10人、おそらく20人の男性が立ち、このコロナ禍の時でもパチンコ台でギャンブルをしたい人たちに怒鳴り掛かる。「自分をコントロールすることなんかできないよ」と、明らかにギャンブル中毒者が列から答える。「だから私はマスクをつけている!」ー「ここから出て行け!」と怒声が帰ってくる。「日本から出て行け!」怒りに満ちた正義感が漂っている。そして、ルールに従わないように見える人々への憎悪。

 

 このような法と秩序の(過剰)遵守にちなんで名付けられた"Jishuku keisatsu"(自粛警察)は、最近日本でも繰り返し報道されている。「自粛警察」は実際の警察官ではなく、コロナ危機の最中に発表された措置の遵守を主張する一般人である。そして、東京のパチンコホールの前の情景のように、道徳的勇気が社会的迫害に変わることも珍しくない。なぜならば、遊戯施設の営業は禁止されていなかったからである。遊戯施設への入店は現在、政策的には歓迎されていないが、それでも許容されている。

 

 このような事件は、この東アジアの国でここ数週間増加している。新聞やテレビはほぼ毎日それを報道している。新たな感染を防ぐために家にとどまっている人々に対する声高な主張は、日本社会の強さの表出なのか?それとも、彼らの非難は、コロナによるさらなる国民的脅威であり、健全なものではなく、社会的なものであろうか?

 

 階層の力:ファシズム研究の第一人者によると、これらの展開は何よりもまずファシスト的である。「コロナ危機の勃発以来、何度も目にしてきたことを、私は非常に心配している」と、神戸の甲南大学社会学者兼教授であり、現在ベルリンのフンボルト大学客員教授であるDaisuke Tanoは言う。しかし、彼は驚かない。コロナ危機が発生する前からの研究に基づく彼の社会的診断は、今特に目立ってきている。

 

 田野は10年以上にわたり、大学で毎年恒例のコースを提供し、映画「ザ・ウェーブ」由来のファシズム実験を再現した。4月に出版された彼の本は、そのタイトルが「ファシスト教室:なぜ集団はワイルドになるのか」と翻訳することができ、この実験を文書化している。実験のために、田野は毎年彼のコース参加者の指導者であると宣言した。彼らは制服を着用して、一種のナチス式敬礼で彼に敬礼しなければならなかった。「我々はいくつかの手段を通じて共同体意識を強化した」と、この研究者はビデオチャットで報告する。「そして徐々に、たとえば、キャンパスでいちゃついているカップルを叱責するように参加者に指示した。」 1つの結果:階層の力とグループ感情が参加者に彼らの障壁を忘れさせ、彼らはますます無遠慮になり、部外者に対して攻撃的になった。

 

 そして、それはゲームではないという唯一の違いを除いて、最近この国で起こっていることに似たものではないのか?日本の伝統的な酒場である東京のある居酒屋のオーナーは、最近、彼の店のブラインドにつけられたメモを見つけた。「こんな時分にまだ店を開いているのか?」彼がその隣に、規定通りに特定の時間に営業するつもりであると説明し、その答えを貼り付けた後、その上にこう走り書きがされていた:"baka"。次のような意味である:ばか。

 

 東京東部の千葉県では、最近、ある菓子屋に「店を閉めろ!さもないと子供たちがここに来る」という匿名の手書きメッセージが添付された。オーナーは3月から店を開けていない。「その脅迫者がそのような脅しをすることは、以前は犯罪がなかった場所でも発生するということである」と田野氏は述べる。日本の安倍晋三首相が4月初めに非常事態宣言を発出した際、各都道府県は店舗の営業停止と夜間外出禁止を課す権限を与えられた。しかし、原則として、それは要請と推奨にとどまった。

 

 政治家は時々そのような行動を扇動する。大阪府知事は最近、緊急の閉店勧告にもかかわらず営業を続けているパチンコ店のリストを発表した。「それは、そのような企業に対する公の暴動への直接の誘いではない。しかし、それは間接的なものである」と田野は指摘する。多くの店主は、営業を続行する経済的な理由を挙げている。政府は閉鎖を命じず、希望するだけなので、事業者は補償金を受け取ることはなく、わずかな支援しか受けられない。

 

 その間、ドイツと同様に、警察は、普通の市民を軽微な犯罪、あるいはほとんど単なる苛立ちで中傷する人々からの電話が増加していることを報告している。日本とドイツは同じではない。田野氏によれば、日本では単なる要請に応じることが多いが、ドイツでは法的効力がある場合にのみ新しいルールが遵守されるようになる。また、今日のドイツよりも日本で顕著であるこの積極的服従のために、田野は現在、日本をよりファシスト的な社会であると考えている。

 

 政治学者はファシズムの明確な定義に同意しない。ただし、通常は、明確なヒエラルキー(階層)を優先する考え方が想定されており、その遵守によって共同体が結び付けられる。共同体はまた、部外者に対する憎しみが醸成されているという事実から形成されている。コロナ危機の場合、「部外者」は何らかの理由で行動要請に従わない人々である。しかし、外国人もまた、典型的な部外者のグループを形成することがある。

 

 ドイツではコロナ危機の発生とともに、アジア出身の人々に対する嫌がらせや攻撃が報告されたが、日本では公的機関による差別もあった。たとえば、経済的困難に直面した学生は現在、援助を申請することができる。留学生は、特に成績が良い場合にのみこれを行うことができる。さらに、最近母国に一時帰国した日本の就労ビザを持つ外国人女性は、現在、再入国を拒否されている。国内での抗議の後、政府はその規制を緩和した。現在、「人道的理由」を証明することができる人々は免除される。しかし、彼らのほとんどはまずは国外に留まらなければならず、したがって彼らの生計は奪われるであろう。

 

 これらの展開はどれも反響なしではすまない。現在、日本関連の研究者の国際的共同体の間では外国人に対するコロナ関連の差別を非難する請願が行われている。そして先週末、人種差別に反対するために、さまざまな理由で何百人ものデモ参加者が東京の渋谷地区に集まった。米国でのジョージ・フロイドの死は、街頭抗議を引き起こしたが、それだけではなかった。 5月末には、日本のある警官のビデオがTwitter経由で公開されたが、そこにはこの警官が路上でクルド人男性を攻撃的に調査し、詰め寄っている光景が映されていた。日本でも、外国人は日本人よりも警察によるいわゆる職務質問の対象となることが多い。

 

 以上である。日本人が特に気にしていない彼ら自身の行動様式の中には、日本人以外の観察者の目から見ると驚くべきものがある。上記もその一つであろう。日本社会が異様に窮屈な空間であると思わざるを得ない理由、その主要要因の一つは、外部の人間には見えない、無数に張り巡らされた「掟」に起因する、この社会に内在化された非人間的・全体主義的特性ではないのか。

パブロ・ハーゼル支持の抗議

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 今日も見ているドイツ紙(Zeit online)に気になる記事が載っていたので、雑ではあるが、訳してみる。

 

 タイトルは、"Proteste für Pablo Hasél: Der große Frust"(パブロ・ハーゼル支持の抗議:大きな不満)。「スペインのラッパー、パブロ・ハーゼルの懲役刑判決に対する抗議は、表現の自由に関するだけではない。抗議は若者の怒りのはけ口である。」ジュリア・マッハー(バルセロナ)の記事。以下、内容である:

 

 スペインのラッパー、パブロ・ハーゼル逮捕に反対する暴力的な抗議に関する最も鮮やかなインタビューの一つは、まだ法定年齢に達していない若い女性のライアによって行われた。今週初めのバルセロナでの抗議行動中に、彼女は廃ガラス入れをひっくり返し、警察にガラス瓶を投げた。警察は硬化ゴム弾で撃ち返し、そのうちの1つが友人の目を潰した。


 木曜日に、ライアは民間放送局のカデーナ・セール・カタルーニャに電話をかけた。彼女は罪悪感を感じた。彼女の友人は実際にはデモに行きたくなくて、たまたま彼女の後ろにいた。「ごめんなさい」とライアは言った。「しかし、私たちは怒っていたので、それを示したかったのです。」司会はそれが政治的に何であるかを尋ねた。「自由を守れ」とライアは答えたが、それは戦闘的というより絶望的に響いた。「とにかく、私たち若者は誰も将来への希望を持っていない。すべてが不明瞭で、ニュースはすべて不正についてです。」

 

 32歳のラッパー、ハーゼル、本名パブロ・リヴァドゥラ・デュロが火曜日にテロを称賛し、王室を侮辱したとして逮捕されて以来、スペインの人々は路上で抗議をしている。マドリッドバルセロナバレンシアでは、コンテナが燃え、車やショーウィンドウが壊され、店が略奪されている。抗議者のほとんどは18歳から25歳の若者で、警察によれば、彼らは「白兵戦に従事している」。毎晩、双方に負傷者が出て、未成年者を含む数十人がすでに逮捕されている。

 

 公式には、(この抗議は)表現の自由に関するものかもしれない。アムネスティ・インターナショナルは、ハーゼル逮捕を非難している。すなわち、ソーシャルメディアで話しかけたり、品のないことや衝撃的なことを歌ったりするだけで起訴される恐れがあってはならない、とアムネスティ・インターナショナルのディレクター、エステバン・ベルトランは述べた。スペインの左翼連合は議会で刑法改革について議論している。「芸術的、文化的、または知的」行動の文脈における言語的過剰は、もはや刑法に抵触しないはずである。しかし、路上では、表現の自由とその限界についての議論は、長い間背景に押しやられてきた。

 

 「パブロ・ハーゼル事件は、不満、将来への見通しの欠如、貧困問題といった氷山の全体を可視化したきっかけに過ぎなかった」とジョルディ・ミールは言う。この社会学者は、ポンペウ・ファブラ大学で社会運動と紛争の研究に従事している。彼は抗議者の年齢に驚かない。「それは、2008年の金融危機の余波によって子供・青年時代が形成された世代である。」現在、彼らは成長し、コロナによる危機に直面しているが、その程度はまだ推定できない。「彼らは彼ら自身に問いかける:私は人生から何を期待できるのか?」とミールは述べる。

 

 実際、スペインは金融危機の余波を完全には克服していない。教育・医療制度の削減は、将来への見通しの欠如と同様に、今日でも知覚される。2010年初頭には、若者の失業率は50パーセントを超えていた。現在でも40.7%で、EU平均の2倍以上である。それはヨーロッパ全体で最高の値である。スペインの若者はコロナ危機の影響を非常に受けている。というのも、彼らはその多くがパートタイムおよび短期契約の労働者であるが、彼らの雇用は今回の危機で最初に解約されたからである。

 

 金曜日の午後、抗議行進のために、300人の学生がバルセロナの大学広場に集まってきた。ポスターにはラッパーの肖像画が飾られており、大きな旗には「釈放と独立」と書かれている。彼らの多くはカタロニア独立運動に近いか、左翼のオルタナティヴシーンに属している。会話の中でこうした態度は混ざり合っている。たとえば、Queralt Brunetがいる。黒髪ショートカットの21歳の政治学科の学生は、過去数日の間、再三再四、デモに参加して、「横行するファシズムと戦う」ために街頭を行進した。

 

 暴力で? デモ参加者の暴力は常に自己防衛に過ぎないとケラルトは答える。いつの日か彼女は国際機関で働きたいと言う。しかし、修士号は別として、彼女は「少なくとも数年の専門的な経験」を必要としている。「どこで得たらいいのか?スーパーのレジに立てたらラッキーだと思う」。Esther Jorqueraは彼女から数メートルのところに立っている。彼女は33歳で年配の一人であり、以前は水泳トレーナーとして働いていた。彼女は、残業と副業込で、(グロスかネットか指定しなかったが)、収入は月に精々1,100ユーロにしかならないと言った。現在、彼女は教師になるためにカタロニア言語学を勉強している。「立ち退き、失業、独立住民投票を組織した政治家の逮捕ー私を怒らせるものはたくさんあります」とJorqueraは言う。「私たちは街頭に行くしかないのです。」

 

 8台の装甲兵員輸送車に続き、小さな行進が始まる。スペインの警察本部の前で、数人の抗議者がカートリッジから花火と黒煙を上げる。「今夜お会いしましょう」と男の一人が警察に呼びかけ、拳を握りしめた。スマートフォンのカメラのシャッターを押す。これは、パブロ・ハーゼルがリェイダ大学で撮影されたのと同じポーズである。このミュージシャンは逮捕される前にそこに立て籠もっていた。

 

 「このジェスチャーは彼を衆目には一種の英雄にした」と社会学者ミールは言う。「パブロ・ハーゼルは、例えば、カルレス・プッチモン(分離主義の独立カタロニアの指導者)のように海外に追放されたことがなく、他の独立主義者のように簡単に逮捕されもしなかった。さらに、逮捕前には狭い音楽シーンでしか知られていなかったミュージシャンは、王室に対する明白かつ全面的な批判で中心になった。スペインでは君主制ほど国家を象徴するものはない。したがって、体制に対する無期限の怒りの投影面としてこれほど適したものはない。

 

 金融危機の数年間、スペインの政治的および社会的システムに対する一般的な批判は、政治運動を引き起こした。2011年5月、若者は全国の公共空間を占拠した。いわゆるテント村憤慨運動では、民主主義の欠陥が議論され、左翼のオルタナティブ政党ポデモスが出現した。そのようなことがまた起こるのであろうか?ジョルディ・ミールはそれに懐疑的である。彼は、現在の抗議行動に「虚無主義的な衝動」があると考えている。「政治的モデルはなく、政党への言及もない。」

 

 ミールにとって、これは危機の結果でもある。すなわち、スペインの政党制は腐食しており、カタルーニャでは独立運動がこの展開にさらに拍車をかけている。その結果、政府と野党の境界はますます曖昧になっている。カタルーニャでの激しい抗議の後、今週バルセロナで分離主義のJunts per Catalunya は警察を批判し、治安部隊の改革を求めた。彼ら(および彼らの前任者であるコンヴェルジェンシア)は所管の大臣を任命した。「彼らが本当に望んでいたなら、彼らはずっと前に警察を改革することができたであろう」とミールは述べる。マドリッドでは、ラッパーが逮捕された後、スペインの民主主義の「質の悪さ」について苦言を呈したのは、パブロ・イグレシアス副大統領であった。

 

 「民主主義が実際に機能するためには、政党も信頼できるものでなければならない」とこの紛争研究者は言う。「しかし現在はそうではない。」急進左翼のCUPと右翼過激派Voxは現在、大衆の怒りと不満から利益を得ている。両党は2月14日のカタロニア地方選挙で大きな利益を見出した。史上最高の46パーセントと、棄権率だけがより明確に増大した。

 

 午後の早い時間にデモが解散したとき、Queralt Brunetは、もはや政党を信じていないと言う。彼女は数える、すなわち、彼女は10代の頃に政治に興味を持ち始めて以来、新しい地方議会がカタルーニャだけで4回選出され、さらにスペインで5回の議会選挙が行われた。選挙では何も変えることはできない、と彼女は述べる。

 

 以上である。私のコメントとしては、このような状況で、よく議会制民主主義が機能しているものだな、と、かえって感心する。ナチス類似の極右、暴力主義、反民主主義勢力が台頭しても何らおかしくない状況と思われる。それがなんとか阻止されているのは、ひとえにスペインがEUに所属しているからであるとは思うが、他人事ではない気もする。